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2018年08月23日23:04

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Future is Now! Perfume「Future Pop」

ここ最近、音楽や映画の評価について、自分の意見よりも誰か著名の人の意見や売り上げ等を重要視しているような感想が見受けられます。
観たり聴いたりする前に、他人の意見を収集し、あらかじめ「今回は褒めた方が頭良さそう」「思いきりボロクソ言ってOK」という答えを用意してから作品を鑑賞し、感想を述べている様に感じるのです。

娯楽においては、もっと自分本位であるべきだと思います。
他人の意見なんて本当にあてにならないと感じる事がとても多いからです。
自分がどう感じるかは、自分にしか分からないものです。
理屈なく嬉しくなってしまう様な作品こそが、自分にとって一番素晴らしいのです。
それだけが重要であって、他の意見など大したものではありません。

そんな、極めて誠実で偽りの無いまっさらな精神の元、今回ようやく発売されたPerfumeの新アルバム「Future Pop」の感想を書かせてもらいますが、控えめに言って、ウルトラ大傑作でしょう!
特に表題曲のFuture Popを聴くと、思わず道路に飛び出したくなるような、コンビニの駐車場でアクセルを踏み込みたくなるような、ビルの屋上から滑空したくなるような、そんなウキウキした気持ちになりました。
高収入風俗求人サイト「バニラ」のトラックを貸し切って、この曲を爆音で流しながら渋谷を徘徊したいほどです。(思いついた例がすべて不穏な感じなのに含みは一切ありません。)
この曲を聴いてもそんな気持ちにならない人がいたら、子供だろうが老人だろうが、全員にビンタをして「やり直し!」と恫喝してやりたいほどです。(これもあくまで比喩表現であって、実際には知らない人に突然音楽を聴かせて感想を求めるほど発狂はしていません。)

他の新曲も、「名曲、これも名曲!」とすべての書類に角印を押せる素晴らしさ。
シングルで発表済みの曲もすべて100回以上は聴いていると思うので、多分名曲です。
つまり、ウルトラ大傑作。
これ以上の(そしてこれ以下の)感想は書けません。
異常、じゃなく以上。

でもまあ、意外な内容に戸惑っている人も少なくないと思います。
ここ最近の浮世離れしたシングル曲の連発に、タイトルは「Future Pop」と御大層なものですから、どんなに強烈な内容になるか、防災頭巾を被って衝撃に備えていた人も多かったでしょう。
ところが、新曲はどれもシングルとは違った、ファンなら誰にも親しみやすく、明るく能天気でポップ、しかもこれまでの総括をするようなバラエティに富んだものだったのです。
「これのどこがFutureだよ!むしろPastだろ!」と言いたくなる気持ちは分かります。

こんな方には、丁寧にアドバイスをしたいと思います。
「お前はツンボか!早朝からFuture Popを最大ボリュームで流しながら、布団でも叩いてろ!」と。
正直、歌詞はあまりちゃんと読まない方なのですが、「Future Pop」という曲の歌詞は今回非常に重要です。
短くとも、中田ヤスタカ(半分機械)の決意表明の様な内容なのです。(という勝手な考察です。念のため)


「再現する 未来のすべてを」という歌詞があります。
Future Popとは、これから先を見据えた全く新しいものというより、Perfumeがこれまでやってきた楽曲すべてが常にこれだった、という事ではないでしょうか。
それをすべて再現するというのは、現在・過去・未来のすべてを網羅した内容をこれから始める、という事なのだと思います。

また、今回はいつも楽しみにしているアルバムミックスがありません。
個人的に大変残念でしたが、アルバムを聴いてみると、むしろタイプの全く異なるシングルの楽曲群をこのまますべて1枚に入れても違和感の無いアルバムにしよう、という所からアルバム制作が始まったのではないのかと思ったのです。

またしても「Future Pop」の歌詞に「そう見慣れた いつもの景色が 変わるの 全てをつなげれば」とあります。
これは、アルバムを聴くと同じアレンジのシングル曲がまた違って聴こえる、という意味ではないでしょうか。 
実際にそう、と言いたいところですが、シングルの曲はなにせ100回以上聴いているので、そんな風にはまだ聴こえません。
でも、アルバムを順番通り何度も聴いていれば、「違う!全然違う!」と電車の中で突然叫び出すほどの違いをいずれ感じられるかもしれません。

なんだか、洋楽の日本盤に入っている、少ない資料で捻り出す様に書いたライナーノーツみたいな内容になってしまいました。
つまり、決して中田ヤスタカ(半分人間)のやる気が無くなって有り合わせの曲で作った、寄せ集メドレーアルバムでは無いと言いたかったのです。
前作は後半の曲順がイマイチしっくり来なくって、自分で変えて聴いていましたが、今作はこれがベストという流れだと思いました。
未来というテーマに、そこに誰もがボンヤリした不安を感じる時代に、幸福感溢れる(ただ能天気なものも含む)曲ばかりを追加したのも、とても意味のある事だと思います。

それでも、なんとなくまだピンと来なくて「もしかして、駄作を必死に良いものだと無理しているだけなんじゃ?」といった不安や疑いを持つ人がいるなら、誰かの強い言葉を必要としている人がいるなら、最後に「俺がハマーだ!」の勇気が出る決めゼリフを残したいと思います。

「大丈夫、理屈じゃないんです!」


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