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2018年08月09日23:00

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地雷撤去失敗系スリラー!「ヒトラーの忘れもの」



「忘れものを届けにきました」とは、「となりのトトロ」が公開された際に使われたキャッチコピーですが、この映画の忘れ物は地雷ですから大変です。
拾った人が親切に「おーいヒトラーさん、忘れ物ですよ」などと追いかけると、粉微塵になってしまうのです。

というか、地雷は別にウッカリ忘れたわけでは無いと思いますが。
明確な意思があって、誰かが粉微塵になったらいいな、と仕掛けたのですから。
そう言えば、「となりのトトロ」の同時上映は「火垂るの墓」でしたが、これもまったく同じ、子供に強烈なトラウマを起爆させた、仕掛けられた地雷であったわけですね・・・。

なんとなく牧歌的なタイトルの本作も、なかなかどうして、負けないくらいのショック系エンターテイメントです。
ナチスがデンマークの砂浜に大量に埋めた地雷。
ドイツ敗戦後、この撤去にドイツ人の少年兵が使われたという残酷な実話に基づく映画なのです。

何がショックって、彼ら少年兵はデンマークの人々に憎まれまくっているので、飯も食わせない、病気でも休ませないという扱いですから、じゃんじゃん失敗するのです。
「ナチの子供なんて、死んでザマァ」としか思われず、減ったら在庫を追加するだけ。
つまり、少年が地雷で次々と弾ける映画なんですよ!

「ハートロッカー」でも地雷撤去が描かれていましたが、こっちは子供ですから、観ている方の恐怖も何倍も強いのです。
「キミ、そ、そんなに乱暴に扱っちゃいかんよ!」と思わず画面に向かって呼びかけたくなるほどの緊張感で、観ていられません。
嫌らしいのが、こっちが心配している時は爆発しないのに、気が緩めた瞬間にドカンと来るのです。
完全にスリラーとして作っていますね。

途中から、彼らを指揮する軍人と少年兵らとの人情モノっぽくなっていくのですが、油断は禁物。
終盤にはとんでもない大惨事が起こるのです!
「ウワー!」と大声を上げてしまうこと必至。
本当にびっくりしましたよ・・・。

「ナチスって悪いよね」映画って、今でも人気コンテンツのため次々と作られています。
日本だとこういう映画に必ず「ヒトラーの」と付けられるので、全然出てこないのにヒトラー映画が花盛り。
ところが、この映画はナチスの敵国の残酷さを描いていて、異色の作品と言えます。

結局戦争に参加すると、悪い宗教も美しい民族も関係なく「みんな鬼畜になって不幸になって、そして死ぬだけ」なのですが、その事を改めて強く思わせる映画です。
銭形警部なら最後に、したり顔で「ヤツ(ヒトラー)はとんでもないものを忘れていきました。地雷と憎しみです。」とでも言いそうな内容でした。

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