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2018年08月05日11:08

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ミステリー映画3本「犯人は生首に訊け」「ガール・オン・ザ・トレイン」「インビジブル・ゲスト」

Wowowで観たミステリー映画で、面白かったミステリー映画3本について簡単な感想を書きます。


「犯人は生首に訊け」は、韓国の映画です。
主人公が精神的に疲れている、不安定であるという描写が序盤からあるため、どこが現実でどこが妄想か分からないという内容のため、好みが分かれると思いますが、個人的にはこの手のミステリーは嫌いではありません。
ただし、すでに見飽きた結末になるとガッカリ感も半端ない。

この映画については、その点はきちんと監督は分かっている、とだけ書いておきます。
ただ、意外性を重視した結果、真相が少々複雑になってしまっています。
これは、小説であれば問題ないのですが、映画だと理解させるのが難しいかもしれません。

全体としては凄く気に入った映画なのですが、終盤セリフでサラッと語られる部分がとても重要なのに、理解する前にドンドン映画が進んでしまうため、良く分からないまま映画が終わってしまう可能性が高いです。
僕自身もそうで、丁寧なあらすじを書いてあるブログを拝見し、もう一度終盤を見返してようやく理解出来ました。

被害者(生首)の映像がほとんど無い点が一番の問題だと思いますね。
パッと顔を見て「アッ」と思うくらい印象付ける場面が欲しかったと思います。
小説なら自分のペースで理解しながら読むことが出来ますが、映画はそれが出来ませんので、より工夫が必要だと思いました。


「ガール・オン・ザ・トレイン」は、事前に予想していたのとまるで違う印象の映画でした。
こちらも主人公がベロベロに泥酔して電車に乗るという、精神的に信用できない人(こちらは女性ですが)。
出てくる登場人物も彼女の身の周りの人間ばかりで、女と男のドロドロの関係が描かれる内容です。

日本のミステリー小説界でも大きな潮流となっている、女性作家による「イヤミス」を思わせました。
子供が出来なくて追い詰められるといった、女性ならではの悩みがよく出てくるのもそうで、結末についてもそうで、知らなかったですがおそらくこの話を書いた人は女性だろうと予想が可能なほどでした。

トリックについては、ミステリーに詳しい人なら斬新なものではありませんが、この映画にはピタリと当て嵌まっていて、悪くなかったと思います。
この映画の見所は、女同士の怨念が事態をドンドン最悪に向けて加速させる、パワフルなその過程を「他人事で良かった!」と思いながら楽しむところ。
最後は意外にも「イヤミス」的でない、爽快感すらある感じだったのも面白かったです。


ミステリー映画的に一番感心したのが「インビジブル・ゲスト 悪魔の証明」です。
ミステリーの面白さの一つとして、ああではないか、こうではないかという推理によって様々な「仮定の物語」が語られる部分があるのですが、この映画はこれを実に丹念に、丁寧にやっています。
そのため、何度も観てきたシーンがひっくり返されるのですが、映画だとこれが面倒で退屈に感じてしまう可能性もあります。

しかし、この映画はそれぞれにサスペンス的に盛り上がる要素を入れて、面白く見せる工夫をしています。
こんな危機的な状況になったらと思うと、観ているこちらも思わず立ち上がったり天を仰いだりしてしまうほどです。

そして、この映画の一番の見所がラストシーン。
映画でミステリーをやるというのは、こういう事だ!という見事なシーンです。
色々とややこしいこれまでの過程が、映像一発で見事にスッキリし、どういう事だったのかが一瞬で判明する爽快感。
ここだけでも、ウルトラ傑作じゃないかと思いましたね。
あらすじだけ読むとありがちで陳腐な内容と思うかもしれませんが、全然そうではないので必見です。

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