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2018年07月31日06:38

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目の見えない人は世界をどう見ているのか

オススメ212。"特別視による神聖化は、遠ざけることにつながります。『変身』をモットーとする本書では、見えない人を、むしろ『友達』や『近所の住人』のように身近に感じる方法をさぐります。"視覚障害者がとのように世界を認識しているかを美学専門家がテーマにした本書は知的身体論として興味深い。

個人的にも"『分かり合えないこと』はもちろん大切なのですが、でも、それは最後でいい。まずは想像力を働かせてみたいのです"と空間、感覚、運動、言葉など短いページながら様々な切り口で【欠落でもなく、単なる情報でもなく】視覚に対する新しい扉を開いてくれる本書は、著者が言うように研究書としては少数特定へのインタビューに依っているものの、それでも、いやそれすら相手との良好な関係性に支えられて本書が誕生したことが端々から伝わってきて、心地よい読後感でした。そして"『障がい者』や『障碍者』と表記をずらすことは問題の先送りにすぎません。"の言葉が、だからこそ説得力をもって刺さりました。

障害に関わる方はもちろん、美術鑑賞、ダイアログ・イン・ザ・ダーク、パラリンピックに関心のある誰か、そして『障害』のある相手と、ちゃんと向き合いたい誰かにオススメ。
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