mixiユーザー(id:66468869)

2018年07月29日09:17

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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

オススメ210。"僕は電話に出られなかった。どうしてもできなかった。電話は鳴りつづけて、僕は動けなかった。出たかったのに、できなかった。"911後から4年後のアメリカでベストセラーになり、日本では311発生の2011年に紹介された本書は奇しくも【遺された者がどう生きるか】をリアルに問いかけてくる。

個人的には、911で亡くなった父親の"昔むかし、ニューヨーク市には六つめ行政区が、あった"などの子供を想っての調査体験会話にほっこりしつつ、タイポグラフィの工夫や、合間合間に挿入される図版など、視覚的な仕掛け【ビジュアル・ライティング】が効果的に使用されていて、子供眼線の街中冒険譚といったシンプルな展開で終わらない物語の重厚さに唸らされました。

ビジュアル・ライティングといった視覚的な本に関心のある誰か、現代版キャッチャー・イン・ザ・ライ的な物語を探す誰か、あるいは911、311後の記憶を大切にしたい誰かにもオススメ。
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