シナリオのボリューム=エッセンス量、
一つ一つのエッセンスに付加すべき濃さ、
最終的に話をまとめるための手段検討、
戦闘の思考と実行。
PLとGMそれぞれの作業。
土曜日は鋼鉄のユグドラシル、そらりぅ氏GM。そのペットはシンプルアニマルでは……?の巻。
日曜日はBoA3、私GM。習合の末、元の形がなくなる。それでこそ宗教。だったのだけど……の巻。
ユグドラシルは二回目。
相変わらず気難しさの片りんを見せてきます。
お話は
人造ペットロイドシリーズがたいへん流行するのですが(エサ要らず、ケア要らず、飼い主に合わせた多少のカスタマイズ、癒しを与えてくれます!……シンプルアニマルだ……!)
このペットロイドが、とあるエスパーの人格因子を希釈複製した特性を与えられており
一次的には購入者のスパイボットとして活動するばかりか
二次的には洗脳能力を発揮して、多数の人物操作を行おうというもの。
これに精神を侵された友人なんかに危機感を覚えたり
じゃあこのペットそのものに罪はあるのかみたいな倫理観を飼い主側として持ってみたりしつつ
当該のエスパーさんと本来友人であり、
その人格の破壊をもって商品化する研究に従事させられた女性研究員が
自己破壊因子を持つ個体をもって企業から逃亡、
悪事の道具になっている友人の残りかすを自分の手でなんとか消去するチャンスをうかがっている
というところを突き詰め、
PCたちは最終的な事件の解決にあたる
というもので、
やっぱり「その犯罪他の能力者にバレルよね(実際エスパー能力者のNPCにバレており、エスパーのPCによって洗脳を解くなどされておりました)」
といった
能力者の社会内で能力犯罪を行うこと自体の難しさを感じさせつつ、
それ以上に、
戦闘に3時間以上かかった。
理由はいくつかありますが、
「ユグドラシルというゲーム」におけるミリタリーバランスをどう考えるかをまた
よく考えないといけない。
このゲームの基本的な攻撃力は、5D6でかなり高いくらい。
基本的な戦闘能力としては3D6+固定値ちょっと、となるでしょうか。
それに対して、
HPは10〜60点ほど、と振れ幅が大きいです。
大きいのですが、
実はこの上限付近のHPキャラは、「HPタンクキャラを作る」という目的でもなければこの数字にはならず、
攻撃力、能力攻撃力、能力の汎用性、
そうした「攻め側」、
あるいは「せっかくの能力者RPGで作られる能力」に
キャラ作成ポイントを割り振っていくと
基本的にHPを伸ばす方向に割り振られることはありません。
HPって特殊能力とほぼ関わらないパラメータでしか伸びないんだもん。
さあ、ここで
「ちゃんとしたHPを持った、戦闘においてアベレージな活躍ができるPC」と
「強力な能力を持っているが脆いPC」と
どっちがいいかということですが
このゲー「成長がない」ことが初心者向けの売りの一つであり
つまり「長く、そのキャラを使うことへのゲーム的メリット」をオミットしているということでもあります。
ましてや、
「自分の考えた”能力者”」をやるゲームです。
となると。
そうですね、
「HPタンクキャラをやりたい」というやりたさを持っている人以外は、
あとはみんな
高確率で低HPです。10点前後。
だからこそ、
「大体のキャラの攻撃力は3D6」「5D6という火力は高い」「ダメ減能力は3〜6点、高いと10点以上」
みたいな数値のやり取りが
大変ゲームとしてナルホドな数字になる。
また、
因子ダイスという復活・バステ回復リソースがあり、
これはある程度敵も味方も使えます。
つまり、
強力なバステやなんかは、対ボスとしては「相手の因子ダイスを減らす」ためのものであり、
対ザコとして初めて行動不能にさせるなどと言った強力な効果を生むものになる。
カバーリングについてもなかなか強力です。
全体攻撃などで、ダメージがかさみすぎて倒れてしまった場合など「守り切れなかった」判定になりカバーリング自体出来ないということもあるのですが、
逆に言えば3D5だの5D6だのの世界、
「HPにガン振りした」盾役が用意できるならかなりの回数やり続けられますし、
これがダメージ無の全体バステなら、ほぼノーリスクでカバーリングできるわけです。
行動制止系バステを与えられたキャラは、カバーリングも宣言しにくくなりますが、
それも因子ダイスがあれば解くことができます。
さて、ここで。
今回のボスは、「最速全体攻撃5D6+13(味方からの火力バフによる固定値増加)」、「因子ダイス持ち雑魚4人+持たず雑魚4人」
といった構成で、
もちろんザコはカバーリング用の高いHPを備えていましたし、ボスも40点以上のHPを誇っていました。
PC側には、「敵に攻撃されてはいけない、クリア要件である自壊因子持ちペット」がおり、これをカバーリングなどで守らないといけない。
あっ
PCが「自分の好きな能力者をやる」というウリをかなぐり捨てて
完全な役割分担してないと出来ないムーブを
敵はしてくる。
……このゲームの戦闘というのは
かなり戦略的に遊ぶことができ、
一定量のリソースを用いて毎回カスタムしたキャラを横並びで使えるというのは
半ばボードゲームのような運用も可能ということではあります。
トン数消費してメック作ってバトルテックするようなもんです。メックウォーリアではない。
成長という名の強力な新パーツは手に入りませんから。
だがしかし、
キャラ推しゲーであるこのゲームで、
「役に立つキャラ」と「立たないキャラ」を分けるような運用をして大丈夫だろうか?
当然、多少はあるでしょう。
攻撃がしたいのに命中が低いとか、バフをかけたいのに能力精度が低いとか、
そういうチグハグなデータができてしまうのは、防ぐことができます。
が、それ以上、「この分野においてはエキスパート」という、まあ萌えのようなもんを捨てて
「今回の敵に対応するためのデータ」をきちんと組むことをして
ボードゲーム的に卓に挑むことは、
可能なんですが、
可能なんですが……。
この戦闘が長引くのはもちろんなんですが、
加えて、2ターン目の行動先行の取り合いなどで、GMはリソースを節約しながらPCの先手を取ろうとしておりました。
リソース消費を1ずつ競るのです。
この競りに掛けられるリソースの最大量に限界があり、上限はPCの方が早く訪れるので競ってるとPCが負けるのですが、
それが分かり切ってるのですから、PCに出せない量を最初から提示して競りなどさっさと終わらせてもよろしい。
同じリソースを判定に使うこともできるので、PCに先手を取らせてリアクションに消費でもよろしい。
「盛り上げる使いかた」をすべきか、「粘る使い方」をすべきか。
……とかく「敵の強さを作る」時にGMが陥りがちな感覚なんですが、
「PCになるべく長くやられないように粘る」ことが「敵NPCが出す本気」だと考えてしまうケースがあり、
確かに「勝とうと思えばいつでも勝てる敵NPCが、勝たずに、しかしPCに強さを見せる」ことが
一部出来ているところがあり、
それを「バランスを調整している」と言い張ることも、まあ、よくある話なのですが、
その「本気」の考え方そのものの問題を置いといても、
それ以前に3時間かかってる戦闘でやる「調整」としてはよろしくなさそうではあります。
繰り返しますが、
戦闘ボードゲームなら勝利条件次第でありです。
そういう遊び方をするなら。
そういう遊び方していいゲームなのかどうか……。
というか
そういう共通意識持てるゲームなのかどうか……。
プレイヤーがどんな意識で挑んでくるかを加味したうえで「調整」しなきゃいけない。
そして、
そういう調整を「しろ」「怠るな」「怠るやつはバカ」みたいなことをルールサイトで口を酸っぱくして書いてある。
気難しいゲームだ……。
さて、返して日曜の私のシナリオは
お久しぶりにアンクィスさんをお招きしてやったんですが
それこそ時間管理をミスって残念な結果に。
続きっぽいものまたこんどやります。
古い邪神が治めていた土地の、より古い伝説のお話。
真教が伝播して以来、その地は真教のものになったんですが
それは文明の発達から、「人間が暮らしていく術」がある程度確立したために可能になった行為であって、
暮らすこと自体が厳しい土地では、
「その土地ならではの暮らし方」を経験的・保守的に守っていないと、
生存確率が下がるはずであり、
つまり
「その土地を侵略してルールを変える」ということは基本的に難しい
という現象が、
古代宗教のぶつかり合いの時、
互いの信仰と文化の変遷にどう寄与するか
というテーマを(つったってミシャグジ→ミナカタの推移をもじってるだけですが)
そうして、
「別所で権勢を誇った魔神が(故郷を追い出されて)侵略してきて、現住の軍勢には勝ったはずなのに、その土地に根付くために結局この土地のルールに従うしかなく、つまりその土地の信仰形態と融合せざるを得なかった」
という
帰る場所も自分の信仰形態もなにも残らなかったけど新しい土地に暮らすことはできてしまった
みたいなちょっとした悲劇を
悪い魔術師が蒸し返して
「過去に消えたはずの魔神の権能を、消えてしまった可能性の中から引きずり出す」ような形で再利用しようとする
そんな悪さを働くよ
というようなお話にしていきます。
ニィ工房さんの「八坂神奈子の戦争」がモチーフですが、
当該地にやってきた魔神はヤマタノオロチみたいな洪水と火山の蛇神にしてあります。
せっかくの魔神討伐ものになりますから
やっぱり戦闘を多少やりたいと考えてしまったのだけど
結果的には戦闘全カットが正解だった(しなかった)。
リアル時間の関係で戦闘中に限界がきてエンディング出来ずに解散というお粗末さ。
GMが終電と現地出発時刻の差の確認を怠っていたというのを見通しの甘さとして持つところでもありますが
それ以前の中盤の流れのしわ寄せが後半にきていたのに
それでも「簡単な方のクリア条件を出せば行けるのでは」みたいな感じになるべきではなかった。
私のシナリオでたまにあるんですが
クリア方法が分からないまま
ドラマだけは進んでクライマックスに進める段階になってしまって、
「じゃあ、最終的にどうする?」というビジョンを持ってないPCたちが最終戦闘前に答えの見えない相談をしてしまう流れをまた起こさせてしまい。
魔神を復活させる?させない?させてから倒す?させようとしているヒロインを倒して止めちゃう?
のあたりのコンセンサスがPC同士で取れてない状態で「もう何時でも復活シーン始められるよ」というと
ほぼほぼ必ずPLをまごつかせてしまう。
この場合、
一見終盤(だからもうすぐ終われそうな気がしてしまう)なのだけれど、
PC同士のコンセンサスを取るという作業量を考えるとセッションの進捗としては50%。
みたいな所をGMがフォローできなかったとか
じゃあそもそもそこに来るまでにちゃんと情報収集を兼ねながらドラマを進ませるシーン構成に出来んかったのかとか(状況把握情報は出してもらえてたんですが、”ラストで結局どうなるのか、そこでどうすべきなのか”は出させられなかった)
私GMじゃないときでも
PLやってて「クライマックスには行けるけどクリア条件を話し合わないと進められん」みたいになってることは結構多く
いざGMやってひどく顕著にそれを起こしてしまったわけで
うーん。
メンツがそろうようなら絶対ちゃんとフォロー編やるぞ。艦これ劇場版みたいに(失礼)。
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