mixiユーザー(id:366862)

2018年07月18日14:11

314 view

膝をよくわからずえらく痛めて

歩くのも大変になっていた連休。筋を伸ばしちゃったみたいな……。
床すわりのセッションで妙な形に筋を固めた状態で
変な揉み方したかしら(寝違えと似たような)?

何がきっかけで体壊すかわからん……。ひとまず休日のうちに回復はしたけれど……。


土曜日は在りて遍くオルガレイン、けい氏GM。描写の自由とディスコミュニケーションの折り合いの巻。



オルガレインは去年の同人ゲーム。
個人的には、「楽しめるし楽しいけど、楽しむのにちょっと変わった努力がいる」ゲーム。という印象。


描かれる世界観に素敵さがあり、
ちょっと読んでみたいなと思ったところ、ほぼ手に入れる方法はない状態に(同人誌が一年たったらそりゃそうですが)なっている風……

なのですが、
まあ、
PCがやることはナイトメアハンターです。

世界中の人が眠りに落ちてしまいました(地球外生命体のせいらしい)。
一斉になったもんでいろいろ大惨事にはなったそうですが、
いくらかの人が「起き」、また起きた人たちに「起こされて」、ある程度の人は復帰し、
2年の歳月を経て多少の暮らしは戻ってきているようですが、まだまだ大勢の人が、死ぬことも年を取ることもなく寝ているそうです。

さて、PCたちは、起きている人、「覚醒者」。
「眠り続けている人」の夢の中に、「覚醒者」がアプローチして、
4層からなる夢を読み紐解いていくことによって
その4層をはがし、眠っている人を起こしてあげる、という。

画一化された進行判定に全員で挑み、失敗回数の多い人は戦闘ラウンドへの参加権限を減らしていき、
権限を使い切った人は夢から追い出されるという……



うん、思ったよりナイトメアハンターです。


しかし、
ルール全体の画一化は大変よくできていて、
自キャラ他キャラとも、
使えるスキル、コストのチャージ、耐久力、だいぶしている夢の掌握率、
この4つのファクターが、
ほぼたった一種類の(なかなかオリジナリティのある)判定ルールで全部回されていくように出来ているというのは
卓上ゲームとしてよくできていると感じる限り。



D10の出目、1〜10に対応した
「10種類の」(10点のではない)描写属性を持つ耐久力、ないしスキルに対し、
「掌握率/10D10」を振り(掌握率は随時上昇していく)、
「出た目」が対応する耐久力の削除や、スキルコストの充填が行われる。

序盤〜中盤のシナリオ進行判定も、敵の持つ(耐久力を兼ねた)描写属性に対してそれでやっちゃうというもので、
サイフィクみたいにシーン描写に対する解決判定で進んでいくようなもんです。



PC4人の場合、大体以下の通りに進みます。

1・敵の「夢」、第一階層の描写。→進行判定。
2・PC1人目(最大掌握率者)の「夢」の描写。全うするとラス戦の参加権限を回復できるチャンスを得る。
3・敵の「夢」、第一階層の描写。→進行判定。
4・PC2人目(夢描写済みを除いた最大掌握率者)の「夢」の描写。全うするとラス戦の参加権限を回復できるチャンスを得る。
5・敵の「夢」、第一階層の描写。→進行判定。
6・PC3人目(夢描写済みを除いた最大掌握率者)の「夢」の描写。全うするとラス戦の参加権限を回復できるチャンスを得る。
7・敵の「夢」、第一階層の描写。→進行判定。
8・PC4人目(夢描写済みを除いた最大掌握率者)の「夢」の描写。全うするとラス戦の参加権限を回復できるチャンスを得る。
9・ラスト戦闘
10・「終了時の最大掌握率PLによる」エンディングの描写。


という感じ。
NPCの夢を4分割して描写しつつ、
PC一人一人のキャラ性や夢を自主的に描写するシーンが入り、
ラストは「PLが」エンディングを作る、というもの。


夢の中だからこそ、一人一人が主導するシーンがあるからこそ、
「描写は自由自在」というのが、売りのようなのですが……



ここに、ちょっと闇を感じるのです。


まず、GMによる夢の描写からの進行判定。

次に、「各PLが作る」シーンが、夢を見るという体で1回ずつ。

エンディングを作れるのは、「最大掌握率者」一人。



このすべてのシーン、


「会話」する必要がない。



皮肉めいた批判にも見えるかもしれませんが、
むしろ怖いのは、
キャッチボールがない「からこそ自由自在」が成立していることです。


「他人が口を挟まない」から「自由」。

PLに対するGMによる制限、
GMに対するPLによるシナリオ破綻、
そうした「邪魔」が入らない「ビジュアルシーンの均等配布」。

「他人からの邪魔を完全に廃する」ことによって出来上がる、「描写の自由」。


これは、もはや「ウリ」であるのです。
多分、これは時代だ。


……

というのは、しかしそこそこうがった見方です。
他者との絡み、たのしい邪魔をしてほしかったら、自分主導のシーンでも他人を呼んだらいい。
エンディングでさえ、掌握した人が望んだのなら、他のPCを呼んでみんなで解決したっていいんです。
合気チットで他キャラ呼ぶなんて古いロールゲーでも「失念しがちだけど」「有用な盛り上げ方」です。


でも
それ
古いゲームですら失念しがちで
このゲームに至っては「やらなくてもクリアできる」ので……




というわけでこのゲーム、本当に一方通行の往復になりかねません。「なったって全然大丈夫なゲーム」です。

それをわざわざ双方向コミュニケーションにしようとするなら、
「双方向コミュニケーションにする方法」を、描写者がひねり出さないといけません。
私は、自PCの夢シーンで、GMに一人NPCを任せて演技してもらいましたが……。



……
他PCと目的が違うPCの、言ってみれば「秘密」が強制的にバレる瞬間があるので、
PC間茶番対立はすきだけど、ガチのPC間競争対立ははっきり苦手という私のようなプレイヤーには
そこそこ救いになる部分もあるんですが、


「誰が勝っても違った形のハッピーエンド」にしてくれる、
という共通意識がまあオーソドックスなものだとして、



「あいつには勝たせちゃまずい」というのが描写されたPCがいる、という状況ももちろん楽しめるわけで、
それなら、「夢を見られて目的がばれた」あと、PC同士でそれに突っ込み合い、
「マズイ」目的を持っているやつの目的意識を変えるとか、「あいつに掌握させちゃまずい」と別所で仲良くつるんでもらつとか、
負ける側が楽しく負けられるようなムーブをみんなでつくれりゃあ一番いいんですが、



ゲームクリアするにあたってそれは必須ではないんですよ。



[GMの描写聞く→判定する→PCシーンを聞いてもらう]×4→戦闘→掌握者決定→エンディングぶん捕る

2時間半で終えられますが、
この「描写」の部分に至ってはもはや判定ルールとかすりもしてないので、
いっそ「全部省いても」ゲームは成立する。
システムそのものの完成度が高いだけにこれほんと怖い。
「何一つ会話しなくても」ゲームが成立するんです。




でも、
需要はあるんだと思います。

「ロールプレイそのものが苦手な人」に対するペナルティの排除、
というのも界隈では最近よく聞きます。

「ロールプレイそのもののスキルが高い人」へのボーナスが、そのまま「それができない人」へのペナルティと同義になる、

なんていうのは相対的な問題で、
上手い人にちゃんと報酬を出すだけで、ヘタ勢が不満を募らせていくなんて言うのは不可抗力だ
という意見もまた聞きますが、


相対的なのようでいて、
「うまいGM」にとっては実は全然そんなことはない問題でもあり、


「ウマい人へのボーナスの確保」と「ヘタな人への過剰なペナルティの排除」は
GMをはじめとした参加者がきちんと考えれば両立できるもので……
ウマくて±0、ヘタなら−1、じゃなくて
上手くて+10、ヘタなら+5にする方法、

報酬を複数カテゴリ用意して貴賤のない報酬は一部担保するとか、
活躍の場だけはきちんと全員に与えて、”自主的に活躍”できる人には単に活躍の足し算をするとか、
ぱっと思いつくだけでもその程度はあるもので、


しかし、
この「きちんと方法を考える」ということそのものが、
「TRPGそのものに不慣れな人」にとっての負担と捉えられかねないものでもあり、


つまり、ここの「ヘタな人に不満しか与えられない」タイプの卓で、

曲がりなりにもお金とってる
「システム」発案者が、そのルールブックという権限でもって
上記のような部分へのフォローを行ってくれている、
或いはその実験作である、
卓の成功に対する責任を持ってくれる、ということは、

ある種の参加者たちにとって福音となることではあるのでしょう。




今回用意されたお話、PCたちが持ち寄ってきた「夢」、どれも素敵なものばかりでした。


男子を望まれながら、女子しか産めなかった母の心労の末の死をきっかけとして、

「もし自分が男の子だったら」という未来を描きながら、
「女の子としての自分を望んでもらえなかった」絶望、
夢の中だけにいる母、そこには同時に出現できない自分、
母の思いはともかく、母の遺体のもとで「生まれたのが男の子だったら」とこぼしてしまった父の声。


結局現実は、
自分は女の子でしかなく、母はもはやおらず、「男の子だったら」と言ってしまった父、
そうしたものしかなく、そこに帰りたい理由はない。


PCたちもまた、

知らない男との夢に耽溺する母が、現実に戻っても不幸しかないことを知っていつつ、現実に戻ってこようとしない姿を軽蔑している娘、

言葉足らずの古い父に、苦しみながら従う母をみて「女性らしさ」にコンプレックスをもち、後ろ向きな理由で男の子のように育つことをえらんできた娘、

家庭不和と虐めから「自分の人生を誰かに代わって欲しい」と願い、”夢の中の自分”と入れ替わってもらい、解き放つべきでない破壊衝動とともに完全に夢に閉じこもった娘(現在主観は”現実の人生を歩んでみたかった”夢の中の住人)、

全ての人が眠ってしまったこの世界に、希望のある明日と現実を与えてくれるヒーローを願い、他者の夢に「ナゾの探偵」を送り込む女性作家、


こうした夢を展開し、
互いの事情に言葉をかけあい、現状「覚醒者」として活動するモチベーションを確認しあいつつ、
そうして「目覚める」事を選んだ者たちの夢をまた(描写されてるんだから)NPCも目撃しているわけで、
最後の一押しが、彼女を前に歩かせるかもしれない。
あるいは、
二度と歩かないことを許してもらえるかもしれない。



……
世界観のテーマが素敵ですから、「自主的にかけあい、互いの間にドラマを作ろうとすれば」、素敵な流れはちゃんとできるわけです。


しかし、
この「他人の描写」に(たとえ後でも)アプローチをするというのは
自キャラの設定を考えだして述べる事とは全然別のスキルで、
そうして垂れ流されたお話がなんぼ素敵でも
互いになんの絡みにもならずに終わっちゃうなんてのは
これ結構ざらなんじゃないのか。



いや、
絡むこと自体が邪魔という層もあるのだろうか。
そうなのかもしれない。
「一方通行でありたい」が正当な願いになっているのかも。
発信側だけじゃなく、受信側としても、
受信時にレスポンスを帰す負担は「あってあたりまえ」のものでは最早ない時代なのかも……。


とにかく、
「現実の自分は寝ていていい、ツラいなら”現実に出てみたい”夢の住人がいくらでも変わってやる」
みたいな思想を持った私が
勝ってしまったのですが、


まあ、多少絡んでもらいましたし
NPCの方がすべき決意も納得のいくところでしたが
「できるだけ揺らしたうえで、自分で選ぶという負担を背負ってもらう」というENDにして
何時でも「夢の住人」と交代できる糸だけつける感じになりましたが


例えば戦闘中とかに
私を勝たせちゃまずいのでは
みたいなムーブにはみんなならなかったのよね。



準悪役をやって茶番対立をするからには
周りの方にかっこよく負かして欲しいからなんだけれど、んーまあ。


でもゲームはクリアできてるからね。


ほんとにシステムはよくできてて

なんというかシャドウハンター(ボドゲ)のルールでナイトメアハンターの描写を足してる
みたいな二つの特徴が
特に影響しあってない
みたいな

いや違うな


どう影響させるかは参加者次第というか
普通、どんな参加者も3割はそれを無意識でやれるんだけど
そこを8割に引き上げるという意識をしっかり持って初めて
コミュニケーションゲームになってくれるというか……。
その行為自体はそれほど難しくないんだけど
「それをやった方がいい」という意識をわざわざ持つこと自体が珍しい関係で
フワっと手を付けちゃうとフワっと終わっちゃうというか……。
そうすれば2時間半で終えられるってのもすごいけどね。


もったいなくしないために努力が必要なゲーム。
なんというか「ポテンシャル(だけ)高い」のはユグドラシルと似てる。
開いてる穴は、めったに落ちないんだけど、流氷のクレバスくらい怖いのも似てる。
(クレバスの怖さを知っている人は手を出したがらないだろうところも)
それを知ってれば架けられる橋の、作りやすさは結構いいはずだけど……。


「みんなが持ち寄った話をGMがニコニコ聞いてる」という構造は
インセインのサンプルシナリオにもあったけどね!!
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年07月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031