mixiユーザー(id:66468869)

2018年07月16日14:16

99 view

存在の耐えられない軽さ

オススメ196。"もし永劫回帰が最大の重荷であるとすれば、われわれの人生というものはその状況の下では素晴らしい軽さとして現われうるのである。"(だか本当に?)の自問を恋愛小説の形に結晶化したような本書は、さながら歌劇の様に一度きりの人生の大切さを真摯に伝えてくれる。

個人的には。とはいえ、読み始めてからしばらくは、冒頭のニーチェ引用といい、村上春樹の小説に登場するモテモテ男性を更にパワーアップした様な【クールに機械的に】女性と関係を持ち続けるドンファンな外科医や、唐突に著者自身が【小説に乱入して解説を始めたりする】自在さに戸惑いがあったのですが。読み進めるうちに、これが単なる三角関係の恋愛(性愛)小説ではなく、その形をとった【人生の叙事詩】だと捉え出してからは、最後まで圧倒的に引き込まれ、夢中に読み終えてしまった。

肉体的な性愛だけではない、愛について考えたいオトナな誰かに。あるいは自分の人生について、重ねながら振り返りたい気分の誰かにオススメ。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する