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2018年07月10日09:58

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「乃木と東郷」

戸川幸夫著
昭和46年発行の茶色く変色した古本。いつ買ったのかも分からないのをやっと読んだ。
明治を代表する陸海軍の将軍の話。
筆者は乃木を擁護するが、現代に生きる自分としては、やはり敵を下算して碌な情報収集や偵察もせずに万単位の兵隊を殺したのは愚将としか思えない。
いくら個人の人格が素晴らしくても。
東郷は当然として、乃木はやはり明治天皇の信認が厚く、殉死した、というところで帝国の史観に合致して祭られたのではないか。
またどんな堅陣でも、見方がどんなに劣勢でも日本軍の銃剣突撃で突破できる、という神話を作って太平洋戦争まで膨大な犠牲者を出す狂った精神論の論拠ともなってしまった。
一つ美点としては政治にすぐ口を出す他の将軍とは違って武弁を通したところだろうか。
東郷は海軍の神様と祭り上げられ、統帥権干犯問題で国を誤る発言をしてしまう。またよく言われる「一発一中の砲一門は百発一中の砲百門に勝る」という数学的にも間違った「名言」でその後の海軍を精神主義に走らせることとなる。
とはいえ二将軍の生涯に沿いながら、幕末から戊辰戦争、西南戦争、日清戦争、日露戦争の概観を知ることもできる。

さて、筆者の戸川幸夫は従軍記者として沖縄戦に従軍し、昭和20年6月に帰還、とあるが当時サバニで脱出したレアケースなどを除き空路・海路で帰れたとは思えず、どうやって本土に帰還したのだろう?不思議だ。
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