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2018年06月26日22:14

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レザーフェイス 悪魔のいけにえ



あの歴史的ウルトラ名作「悪魔のいけにえ」の新作が公開される!
こんなに盛り上がる話がありますか。
当然、チェーンソーを持って劇場に駆け付けるファンが社会問題になったり、「悪いけサイコ〜」とギャルがポーズをキメるCMがテレビで大量放映されたり、レザーフェイス役の役者が「王様のブランチ」などに出演し、「ニッポンダイスキ、アベソウリガンバレ、ミンナミテネ〜」と片言の日本語で告知したりする状況を予想していたのですが・・・。

随分ひっそりとした公開じゃないですか。
静岡では一月ほど遅れた公開ではありますが、公開されただけ御の字です。
全国的にもかなり限定的な公開状況なのです。
18禁というのがかなり足かせになっているのでしょうか。
別にチンポ丸出しというわけでも無いので、18禁にする必要があったか疑問ですが、ここかな?と思い当るシーンはあります。
本筋に全然関係ない、悪趣味なだけのシーンなのですが。

感想を聞くと、かなり賛否があるようです。
まあ、こういうビッグタイトルの続編だと、面倒な輩が面倒な事を言うのが世の常。
前に公開されたシリーズ作「飛び出す悪魔のいけにえ」も、色々文句言われましたが、僕は大変楽しめました。


とは言え、前日譚というのが、イマイチ興味が湧かない。
しかも、ややこしい事にリメイク作「テキサスチェーンソー」には既に前日譚(ビギニング)があるのです。
また同じ事をやるの・・・?
「飛び出す悪魔のいけにえ」で、2とは異なる1作目の続きを作ってしまっているので、安易に続編も作り辛いのは分かるし、リメイクも既にあるので、もうこれっきゃなかったのでしょうが。

それで、結果はどうだったかと言うと、ズバリ面白かったです!
観に行く前は体調も振るわず、気持ちも沈みがちだったのに、観終わった後はスッキリ元気になっていました。
普段は買わないパンフレットまで購入してしまいました(内容も良かった!)。

ただ、文句を言う人の気持ち、分からないでもない。
そもそも、悪魔のいけにえっぽくなるのは終盤だけで、ほとんどはシリーズのファンが期待するようなシンプルなスラッシャー映画では無いのです。
ジャンルはバイオレンス・スリラーという感じで、ジワジワと怖がらせる感じはあまり無く、乱暴な若者が元気に殴ったり撃ったり刺したりし合います。

豚マスクの少年は出てきますが、チェーンソーで殺戮する事は無く(ポスターはあくまでイメージです)、すぐに成長してしまいます。
殺人一家にいるのは教育上よろしくない、という国家権力の判断で精神病院に収容されるのですが、精神病院には同じくらい凶暴で頭のおかしい連中がひしめいているので、あまり変わらないような気もします。

成長した豚マスク少年は名前も変えられ、誰だか分からないようになっています。
病院から脱走した5人の中の誰か、という事ですが、その内2人は女性なので確率は3分の1。
「誰がレザーフェイスになるのでしょ〜か?」というクイズになのでしょうが、みんなレザーフェイスが観たくて劇場に来たのにこの仕打ち!
観客にとっては、こいつら全員知らないだけの連中だよ!

そして、この5人の旅が中心となります。
これのどこが悪魔のいけにえ?とは、ずっと思う事になりますが、行く先々で陰惨なバイオレンスが繰り広げられるので、レザーフェイスの事を忘れれば楽しめます。
レザーフェイスの事が忘れられないファンが観客の中心だと思うので、これは酷な話ですが・・・。
ここは早めに気持ちを入れ替えて楽しんだ者勝ちです。
ようやく終盤になって、前日譚へと強引にまとめられる感じは受けますが、悪くない終わり方だと思いました。

「悪魔のいけにえ」は古典中の古典なので、もう正攻法でこれの続編を作るのは不可能なのでしょう。
そこは今回のスタッフも重々承知しているようです。
そこで、こんな意外な切り口なら自分達のやり方で出来るのではないか、というのが発端だったそうです。

あの嫌な「屋敷女」の監督ということで、羽目を外したスプラッターを期待した人も多かったと思います。
グロテスクさでは期待を上回るものでは無かったかもしれませんが、特に終盤の非情な展開なんかは屋敷女を彷彿とさせ、唖然としました。
かつて勝手に量産された駄作(3,4の事!)に比べたら、文句なしにハイクオリティの作品だと断言できますし、ただのゲテモノでは無い、格調の高い映画でもあると感じました。

映画が終わった後、後ろの若者軍団が「中身の無い映画だった」「こんなのに誘って申し訳ない」と愚痴をこぼしてましたが、これに中身が無いなら大概のホラー映画に中身なんかねえぞ!
もっと本気で中身の無いホラー映画を100本観て(ストリッパーVSゾンビとか)出直して来て欲しい!
こういう試みがあってもいいじゃない!と余裕を持って楽しんで欲しいですね。

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