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2018年06月07日11:48

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「オーボエ祭り」の東京交響楽団・日立公演(1/2)

6/6水曜、日立シビックセンター・音楽ホールで東京交響楽団の公演を聴いてきました。上京した時、このオケを聴く機会があまりないので、どのような響きがするのか楽しみでした。演目は以下の通り。
・ロッシーニ:『絹のはしご』序曲
・リヒャルト・シュトラウス:オーボエ協奏曲※
・ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
(指揮)飯森範親
(オーボエ独奏)荒木奏美※
(管弦楽)東京交響楽団

この公演のプログラムが発表された時、「オーボエ祭り」であることは確信できました。オーボエ協奏曲は言うまでもありません。『絹のはしご』序曲と『英雄交響曲』にはオーボエの重要な独奏があり、オーボエという楽器の聴かせどころが満載だからです。しかもオーボエ協奏曲を独奏する荒木奏美氏は東海村出身で、私の高校の後輩でもあります。国際オーボエコンクール・軽井沢で日本人初の1位をとり、芸大院在学中ですが東響のオーボエ主席奏者に就任。順調にキャリアを積み上げているようです。ということで、荒木氏の凱旋公演。演目も気を利かせて「オーボエ祭り」となることは自然でしょうねw。(会場に着くと、私の席のお隣が、偶然にもマイミクのロベルトさんご夫妻で大笑い。)

前半の弦の構成は8-8-6-4。やや小さめの編成。
冒頭のロッシーニの『絹のはしご』序曲は、イタリアオペラらしい明るい太陽のような音楽。ハイドンを思わせるユーモア、転調が利いています。このオペラは聴いたことがないのですが、劇中のアリアなどが引用されている曲なんでしょうね。この曲のオーボエ独奏はもうひとりの主席の荒絵理子氏。荒氏と荒木氏。名前が似てますね。(荒氏はある時期、水戸室内管弦楽団の2番オーボエで出演していました、東響に入団したからは水戸へ来なくなりましたね。)音の刻みとか難しいフレーズがあるのですが、無難に吹いていたと思います。2本のオーボエのデュオはなかなかキレイでした。

2曲目のリヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲。白い楚々としたドレスで荒木氏は登場。オケ・メンバーは彼女の凱旋公演であることは分かっていたようで、後方から盛り立てようとする意識が感じられました。彼女のオーボエの特徴は素直さと澄んだ音色。2階席中央の最前列から双眼鏡で見る限りでは、微笑みながら歌うように演奏しているように見えました。この音楽は小さめの編成で可愛らしさ、感情の機微、コミカルさ、清々しさがあります。私が演奏する彼女の姿を見ながら、シュトラウスの歌劇『薔薇の騎士』のゾフィーが歌っているような想像をしました。指揮の飯森氏も、ソリストが気持ちよく吹けるようにサポートしていました。特にエンディングのアンサンブルが難しいところ、一瞬、余白がはいる休符のところで飯森さんが「ウッ!」と掛け声を出しているように聴こえたのは私だけか?

後半は、英雄交響曲。編成も10-8-9-5と大きくなっています。ヴィオラが異様に多い。中盤厚めということでしょうかw。指揮者の飯森氏ははじめて聴きました。山形交響楽団で非常に良い仕事をしていると訊いていたので楽しみでした。飯森さんのエロイカ、インテンポ気味でしたが、全体的にスッキリした見通しがよい演奏でした。ただここ数年の間に聴いたN響、読響、都響と比べると弦の響きに物足りなさを感じます。特に弱音!それと硬質な音のティンパニが叩きすぎでひとり目立ちしてた。心配していたホルンはそれなりに健闘。木管はなかなかチャーミングなアンサンブルで良かったと思います。この曲で私が注目するオーボエの出番は、第2楽章の葬送行進曲の独奏と第4楽章の「プロメテウス」の主題の変奏をオーボエの出番のところ。ここは荒氏が吹きましたが、卒なくこなしていました。

全体的にはそれなりに楽しめた公演でした。
日立やいわきには、年に数回、在京オケの出張公演があるので、時間が許せば聴きに行きたいとは思っています。この日、実はサッカー天皇杯があって、カシマスタジアムへ行きたい気持ちもありました。しかし今回は音楽をとりました。しかし最近、私は地元よりも東京で音楽を聴く機会が多くなりました。でも興味がある公演があれば、地元でも聴きます。日立のシビックセンターやいわき市のアリオスは、音楽ホールとしてはまあまあですし…。私が中学生のころ、だから40年ほど前、若き日の小澤征爾が振る新日本フィルや、内田光子がN響と共演したモーツァルトの23番の協奏曲を地元の日立市民会館で聴いたことが、私の音楽経験の原点ですからね。(最近の不満は、水戸芸術館です。私が聴きたいと思う公演が、吉田秀和館長が亡くなってから激減中w。かつては毎月行っていたのに、昨年は2回だけでしたね。)
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