何でも自分でやろうとするのが僕の悪い性格。傲慢とも言っていい。
年を重ねると確実に体力は落ち、昨日できたことが今日できなくなるなんてことは自分には当てはまらないと思っていた。
森の中に住んでいると屋根には枯葉が落ち、風に飛ばされなかったものはそのまま堆積し、種子は芽を出して成長する。
住み始めてしばらくした時、次女が「お父さん。屋根に木が生えているよ」と知らせてくれた。
目を凝らして見てみると何本か、空に向けまっすぐに伸びている。あれがそのまま何10メートルになるはずはないと高をくくってそのまま放置してきた。
しばらくすると隣のお宅の屋根がきれいになってるのに気が付いた。
偶然居合わせた彼に聞くと、屋根に上って自分で処理したとのこと。聞けば業者に依頼するとその当時で5万円ほどかかるとの見積もりで、それなら自分でやってしまおうということで苦労したが何とか対応したとのことだった。
ただ、コロニアルの隙間に根が入り込んでいたのかその後雨漏りに悩まされたとのこと。
悩んだ末、ここは様子を見ようということで今の今まで放置してしまったのだ。
それから20年余、今度は左隣の家が堆積物を降ろした。ご主人は大手建設会社のエンジニア。聞けば無理やり根を引き抜くのではなく、根切りを行いロールのように巻き込みながら屋根から落としたという。
これで雨漏りが避けられるなら成功というところだが、見ればすっかりきれいになって大丈夫そうに見える。
残るは我が家のみ。ご両人から丁寧なアドバイスをいただいたのだが・・・
僕。極度の高所恐怖症なのだ。説明を聞いているとき、何度も「お願いできませんか?」と喉まで言葉が出かかったが、日ごろからお互いそういう付き合いだ。だから面白い。
自分でもできるやり方を考えよう。
恐怖心を取り除き、老体でも無理なくできる方法があるはずだ。
気分転換に昨年やり残した庭の枯葉掃除に取り掛かった。
一冬越した芝に取りついた枯葉は手ごわい。半ばたい肥化した部分もあり、その重さたるや老体には堪えた。
注意力が衰えていたのだろう。放置された端材の古釘を踏み抜いてしまった。
作業を中止し、すぐ消毒したが痛みは収まったものの敗血症の不安は残った。
一日頑張ったが、どうにも半分しか終わらない。これが「老化」というものを実感したわけで。
普通にやっているつもりでも、いつも「無理」と隣り合わせ。どこか折り合いを付けなくてはいけないな。
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