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2018年04月23日05:13

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こよひたれすずふく風を身にしめて吉野の嶽(たけ)に月を見るらん 従三位頼政

こよひたれすずふく風を身にしめて吉野の嶽(たけ)に月を見るらん
 従三位頼政
 題しらず
 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 387

「今宵、誰がすず群をわたる秋風を身にしみ通らせて御嶽の月を眺めていることであろう。」『新日本古典文学大系 11』p.123

頼政集「おなじ心(月)を」。
すず スズダケ(篠竹)でササの一種。
吉野の嶽 吉野山。ここは山中の金峰山寺(蔵王堂)を中心に、その南につづく御嶽をも含めていうか。修験道の霊場である。
「月前の遠情」の歌。

源頼政(みなもとのよりまさ 1104-1180)平安時代末期の武将・公卿・歌人。
辞世「埋れ木の花さく事もなかりしに身のなる果ぞ悲しかりける」(平家物語 巻第四 宮御最後。)
詞花集初出。新古今三首。勅撰入集五十九首。
http://bit.ly/14SDzkO
http://bit.ly/14SDHRA

丸谷才一の中編小説『横しぐれ』1975 の題名は頼政の
「旅のいほは嵐にさわぐよこ時雨しばのかこひにとまらざりけり」
からとられていますが、私はこの和歌の出典を知りません。

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