あやなくも曇らぬよひをいとふかな信夫(しのぶ)のさとの秋の夜の月
橘為仲朝臣
題しらず
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 385
「あろうことか、隈なく照る宵を避けているのだな。忍ぶの名をもつこの信夫の里の秋の夜の月よ。」『新日本古典文学大系 11』p.123
あやなく 道理に合わぬ。即ち名月を賞するという月の本意に反する意。
信夫のさと 陸奥国の歌枕。
月下にひっそりと寝しずまる信夫の里(福島市内)を眺めた折の即興か。作者は陸奥守となって下向した。
「里の秋月」の歌。
橘為仲(たちばなのためなか 1014-1085)平安時代後期の公家・歌人。
後拾遺集初出。新古今二首。勅撰入集十二首。
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