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2018年04月18日05:09

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大高郁子 編・絵『久保田万太郎の履歴書』河出書房新社 2018年2月刊

昨日読み終わった本。
大高郁子 編・絵『久保田万太郎の履歴書』河出書房新社 2018年2月刊。

https://bookmeter.com/books/12628746
https://www.amazon.co.jp/dp/4309026532

「下町を愛し、無比の俳句を詠み、そして世俗の栄誉を求めた文人・久保田万太郎。
270点超の絵で読む、かつてない万太郎伝、誕生。

大高郁子(おおたか いくこ)
イラストレーター。1964年兵庫県生まれ。京都精華大学デザイン科卒。
装画・挿画担当作品に吉田武『はじめまして数学』、的川泰宣『宇宙のひみつがわかるえほん』等。久保田万太郎の俳句をきっかけに俳画を描く。」

1964年兵庫県生まれなイラストレーター、大高郁子(おおたか いくこ)さんによる、小説家・劇作家・俳人だった久保田万太郎(1889-1963)の『私の履歴書 文化人1』日本経済新聞出版社 1983 と『流寓抄 句集』文藝春秋新社 1958 からの文章と271枚の絵。

「久保田の、人としての「ダメっぷり」が、私にはだんだん面白く思えてきた。彼は、社会的地位のある人との関係や自身の受賞歴は事細かく書いているが、最初の妻の死因や、不仲だった二番目の妻のことなど、自分に都合の悪いことは一切書かない。」
p.292 久保田万太郎の浅草

「女関係にだらしなく、最初の妻は自殺、その原因となった愛人に子供ができたのにも拘わらず認知せずに棄て、二度目の妻とは性格が合わず家出、最後に一緒に暮らした女性にも、自分が原因で先立たれてしまう。おまけに人生の最期は、梅原龍三郎の家で赤貝を喉に詰まらせて死んでしまうという終わり方である。」p.291

「久保田万太郎の作りあげた小説や戯曲の世界は、ある時期の浅草で閉じていて、それ以上広がってゆくだけの力がない
 … 
彼の俳句には、小説や戯曲とちがった普遍がある。たぶん、久保田の俳句はこれからも時代を越えて残ってゆく。

叱られて目をつぶる猫春隣
たけのこ煮、そらまめうでて、さてそこで
うつぶせにねるくせつきし昼寝かな
時計屋の時計春の夜どれがほんと
月仰ぐ眼鏡の枠に月あふれ
あきかぜのふきぬけゆくや人の中
秋晴や人がいいとは馬鹿のこと
年寒しうつる空よりうつす水」p.292

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