大塚ひかり『源氏物語の教え　もし紫式部があなたの家庭教師だったら（ちくまプリマー新書）』筑摩書房 2018年3月刊

昨日読み終わった本。
大塚ひかり『源氏物語の教え　もし紫式部があなたの家庭教師だったら（ちくまプリマー新書）』装幀　クラフト・エヴィング商會　本文イラスト　川口澄子　筑摩書房 2018年3月刊。

https://bookmeter.com/books/12646854
https://www.amazon.co.jp/dp/4480689990
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689993

「宮中サロンの家庭教師になったシングルマザー紫式部。彼女が娘と天皇の妻に施した女子教育とは？　源氏に学ぶ女子の賢い生き方入門」

「シングルマザー紫式部が中宮彰子の家庭教師となり、宮中サロンを盛り立てるために書いた源氏物語。そこには、女子が幸せをつかむにはどうしたらいいのか、自身の苦い思いと経験と、そして知恵が詰まっている。」

「『源氏物語』は面白い。そこに、「教え」やら「実用性」を見出すほど野暮な話はないだろう。が、今回、野暮を承知で、それを試みた。なぜなら、何が凄いって、大きな事件や動きがあるたび、あ、これって『源氏物語』に書いてあるのと同じ…というようなことがあるからだ。「あとがき」」

画工・川口澄子の絵日記帖　1973年兵庫県生まれ。
http://kwgcsmc.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/--2462.html

目次
第1章　姫君の家庭教師・紫式部の教育方針
『源氏物語』の時代―女が生きるのは大変だった
紫式部はなぜ『源氏物語』を書いたのか？
紫式部が「物語」を教材に選んだ理由

第2章　男に大事にされ、かつ生き延びるには　紫式部が考える理想の女
「男に愛される女」が死ぬという設定　紫式部の真意
源氏の育てた理想の女・紫の上　男に愛され、嫉妬に殺されないためには
自分を大事にした明石の君　身分以上の結婚と出世をするには
決断力の女・藤壺中宮　人の上に立つには
『源氏物語』に描かれる反面教師　時代後れな「理想の女」

第3章　職場で生き抜くには―人に認められる女になるための処世術
何がなくても自己肯定
セクハラ満載の社会で女が生き延びるには
つまらぬことばも喋り方しだい
とにかく足を引っぱられないようにせよ
赤の他人の親切には感謝の気持ちを

第4章　死にたいあなたに　あなたを人間扱いしない者とはつき合うな
ダメ女たちの物語・宇治十帖
『源氏物語』の教訓

おわりに　「ダメ女」は実はダメじゃない
かけがえのない人などいないという教え
誰かの「身代わり」にされた女が「不倫」をする
人から見てダメだっていい


1961年生まれな、ちくま文庫版『源氏物語』全6巻 2008-2010　の訳者、大塚ひかりさんが読み解く、『源氏物語』の「紫式部の教え」と「実用性」。

「なめられてはならぬのですッ！！　　　センセー、落ち着いて〜」p.73 イラスト

「ぬしを人間扱いしない者とは　つきあうな――！！」p.170 同

画工・川口澄子の絵日記帖　1973年兵庫県生まれ。
https://goo.gl/qNVbp7
「首をブンブン立て［縦？］に振って大いに共感。」

「『紫式部日記』を読むと、彼女が、いかに自作の『源氏物語』のPRに力を注いでいたか、『源氏物語』によって彰子［一条天皇中宮］のサロンを盛り立てようとしていたか、浮かび上がってくる。彰子は、紫式部の執筆した『源氏物語』を製本するプロジェクトを組み、夜明けと共に作者の紫式部と差し向かいで用紙を選別。紫式部は書写を依頼する手紙をあちこちに送り、道長［彰子の父］からは紙や墨や筆の提供を受けるなど、チーム・リーダーとして動いていた。『源氏物語』は、彰子サロンを盛り上げる「目玉」として、文字通りサロンの総力を挙げて作られていた。」
p.57 第1章　姫君の家庭教師・紫式部の教育方針　3　紫式部が「物語」を教材に選んだ理由

読書メーター　源氏物語の本棚（登録冊数34冊）
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091219
を、ご笑覧いただけましたら幸甚と存じます。