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2018年04月05日05:22

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ひぐらしのなく夕暮ぞうかりけるいつもつきせぬ思(おもひ)なれども 藤原長能

ひぐらしのなく夕暮ぞうかりけるいつもつきせぬ思(おもひ)なれども
 藤原長能
 題しらず
 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 369

「ひぐらしの鳴く夕暮は本当にやるせないことだ。いつもはてしなく物思いをしてはいるが。」『新日本古典文学大系 11』p.119

長能集「八月ばかりの夕暮に」。続詞花集・秋下[藤原清輔による私撰集。『詞花集』に継ぐ第七勅撰集となるところを、下命者である二条天皇(1143−1165)の崩御に遭い実現しなかった]。
本歌「来めやとは思ふものからひぐらしの鳴く夕暮はたち待たれつつ」(古今 恋五 読人しらず)。
ひぐらし 「茅蜩、和名日久良之、小青蝉也」(和名抄十九[和名類聚抄 わみょうるいじゅしょう 平安時代中期に作られた辞書 源順(みなもとのしたごう)が編纂])。晩夏から初秋にかけて夕暮カナカナと鳴く。
家集では贈答歌の中にあって恋歌。
参考「相思夕上松台立、蛬思蝉声満耳秋[相思ひて夕(ゆふべ)に松台に上(のぼ)りて立てば、 蛬(きりぎりす)の思ひ蝉の声耳に満てる秋なり]」(和漢朗詠集「秋晩」・白居易)。
「秋思」の歌。

藤原長能(ふじわらのながとう/ながよし 949-1009?)平安時代中期の歌人。姉(母が同じかは不明)に藤原道綱母、姪に菅原孝標女がいる。
拾遺集初出。新古今四首。勅撰入集五十一首。
http://goo.gl/Cm3lLV
https://goo.gl/YxFU9U

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