秋風のいたりいたらぬ袖はあらじただわれからの露の夕暮
鴨長明
秋の歌とてよみ侍(はべり)ける
新古今和歌集 巻第三 秋歌上 366
「秋風の吹きくる袖、来ない袖という差別はあるまい。すべて自分の心のせいで、こうも袖に露の置く夕暮よ。」『新日本古典文学大系 11』p.118
本歌「春の色の至り至らぬ里はあらじ咲ける咲かざる花の見ゆらむ」(古今 春下 読人しらず)。
われから 秋風が露を結ばせるのではなく自分の心が涙の露を結ばせる意。
露は秋風が結ぶという観念をふまえての発想。
「秋夕」の歌。
鴨長明(かものながあきら(ちょうめい)1155?-1216)平安時代末期から鎌倉時代にかけての日本の歌人・随筆家。和歌所寄人。
千載集初出(よみ人知らずとして)。新古今集十首。勅撰入集二十五首。
http://bit.ly/17ePFRV
http://bit.ly/17ePE0j
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