mixiユーザー(id:13333098)

2018年02月19日12:45

77 view

「サニー/32」を観ました



こんなにバカバカしい映画を公開しやがって!
観た人はもっと×2怒って良い。
僕は結構楽しみましたが、完全に事故に巻き込まれた気分です。

白石和彌監督の映画はこれまでどれも非常に完成度が高く、期待した人が多かったと思います。
彼の映画なら大丈夫だろうと。
しかも、リリーフランキーと(またもや)ピエール瀧のコンビが登場して悪ふざけをするというなら、「凶悪」を楽しんだ人なら観たいと思うのが当たり前です。

ところが、彼らだけじゃなく、映画自体が悪ふざけそのものなので、こんな事になってしまいました。
どういう風にふざけているかと言うと、単純に脚本がメチャクチャです。
色々頑張ったあげく上手くいかなかったのではなく、明らかに自ら破壊しているような感じ。
主演の女優は秋元康軍団系アイドルの人らしいですが、AKB48の曲をエイフェックスツインがリミックスするとこういう感じになると思います。

様々なシーンを個別に見ると、「すごく面白い、さすが白石監督!」と思わせるシーンと、「秋元康が後ろで拳銃を構えているので仕方なくこうしたのかな?」と思わせる猛烈にダサくて恥ずかしくなるようなシーンが混在しています。
ピエール瀧やリリーフランキーが楽しげにはしゃいでいるシーンは大体良いのですが、主人公等の少女が中心になるシーンでは厳しい部分が多いと感じたからです(主演の子の演技自体や頑張りは良かった)。

面白い部分については、やりすぎ白石監督のフリーダム感全開で、これまでで一番ノビノビと楽しんで撮っている雰囲気があります。
だからファンは確かに必見と言えます。
でも、同時に本当に観ていて本当に辛くなるようなシーンも少なくないので、覚悟が必要です。
特にネット中継部分は総じてキツい。
テレビドラマとか邦画やアニメ(サマーウォーズ等)で何度も見たような、明らかに表面的な死ぬほど恥ずかしいこれらの演出には、映画館から脱出したくなりました。

映画を観た後思ったのは、最初は比較的まともな(面白いというわけでは無い)脚本にそって、無難に撮影をしていたものの、途中で「・・・もうこれはダメだ。どうせダメなら爆弾で爆破して、粉々にしてやろう!」とヤケクソになって、濃い目のハイボールをガブ飲みしながら異常なシーンを付け足して、「こんなになっちゃったけど、次頑張るね!」と笑顔で納品したのかな、という想像です。
でも、後にネット等で経緯を読んだら、最初からアイドルの人を主人公にしたアイドル映画を作る企画として、秋元康からの依頼で作られたというじゃないですか。
だから、昔のアイドル映画が大抵そうであったように、最初からあえてこういう異常なバランスのものを想定していたのかな、とも思いました。

でも、こういう風に展開したら面白いかも、という予想をことごとくスルーしたあげく、小学生の列に突っ込んだりしながら、最終的にコンビニにダイナミック入店するような凄惨な事故になってしまった事に、まずは黙祷したいと思います。
まあ、たくさん笑えて存分に呆れて、「酷い映画だったよね!」と友人と語りあえる映画だったので、十分に楽しめたと思います。
こうこう事(事故や災害のような出会い)も映画鑑賞の楽しみの一つ。
2年ぶりに劇場で観た映画がこれだった、という人には悲しい思い出でしょうが、いつか「もう映画なんて観ないなんて、言わないよ絶対〜」と吹っ切れる日が来る事を祈ります。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年02月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728