mixiユーザー(id:13333098)

2018年02月14日22:33

46 view

「羊の木」を観ました



公開前に、怖い映画だという評判を聞いて観たくなったのですが、実際に観てみたら何と言うか・・・。
とにかく最後まで飽きさせない面白い映画である事は間違いありません。
でも、明らかに様々なユニークな設定を生かし切れていない、上手くいかなかった映画でもあると思います。

田舎の街に、元受刑者(人殺し)ばかり6人が仮釈放されてやって来ます。
ここで更生するために暮らし始めるのですが、まあ色々あるというお話です。
結構顔馴染みの役者陣が勢揃いしていて、本当に豪華。
顔が一発で覚えられる人ばかりなのは本当に親切です。
しかも、見た目通りの性質、つまり凶暴な顔の人はチンピラやヤクザで、暗い人はずっと暗く、エロい人はどうかしてるほどエロい。

このエロい受刑者役が優香なのですが、この映画で一番感動したのが、この優香の巨乳を強調するシーンです。
若い人は知らないかもしれませんが、彼女は昔ヤングマガジンのグラビアの超常連。
今はどうか知りませんが、当時のヤンマガでは巨乳の人しかグラビアが出来ないという鉄の掟があって、そこで優香は「雨宿りが可能」と思わせるほどの爆乳を豪快に披露していたのでした。
今ではそういう面影がすっかり無くなったと思っていたら、遂に活動再開!
映画では「のろろ様」という神様を祭る風習が登場するのですが、どうせなら彼女の巨乳をみんなで担いで、ワッショイワッショイと練り歩いたら、もっと盛り上がる祭りになったのになあ、と思いました。
正直、祭りのシーンの盛り上がらなさ、退屈さはどうかしてます。

優香以外の見所だと、やっぱり松田龍平でしょう。
「散歩する侵略者」では、これが本来の姿としか思えない異星人役を演じていましたが、この映画でも人間じゃない感たっぷりの元人殺しをイキイキと演じています。
異星人以外にも、ロボットや歩く死体、呪いの生き人形といった役にも是非挑戦して欲しいと思わせます(すでに挑戦済みだったらすみません)。

序盤から中盤にかけては、本当に想定していたジャンルを間違えたと思いました。
脱力コメディ+人情ドラマという感じで、少しも怖くならないのです。
元受刑者が田舎暮らしをして、田舎者と心打ち解ける事で次第にシャバ復帰をするという、よくあるヤツかと油断しましたが、終盤大きく流れが変わりますので、途中で「そうだ、京都へ行こう」などと言って席を立たないようにお願いします。

問題は、序盤で6人の受刑者の紹介が割と丁寧にされた割には、結局活躍するのはその一部の人だけで、後は登場しただけ。
もうちょっとメインの話に絡めても良かったのではないかと思います。
前述の「のろろ様」の祭りも、その異様な風習も、あまり活かされてはいません。
普通は派手に祭りを盛り上げつつ、そこで何か契機となる事件が発生するものです。
せっかく用意した食材が、使わずにドッサリ余ってしまった感じを受けました。

と言うか、全体として非常に統一性が無い。
序盤は犯罪者の社会復帰の難しさ等を真面目に描くのかと思いきや、終盤は唐突にサイコスリラーになり、オカルトな感じで終わるというのは・・・。
まるで、一度作った映画があまりにも退屈なので、怖いシーンを後で撮り足して無理やり再構成したみたいです。
スリービルボードは脚本の素晴らしさがすべてを活かしていましたが、こちらはまるで逆になってしまっているなあと感じました。

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年02月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728