さすがは官僚!この現状を40年前に見通していた。
飲んだ席の戯言だったけど内容のショッキングさに戦慄が走ったものだ。
「年金も医療制度も今のままでは無理がある。医療技術も相当に進歩するだろう。ベビーブームの人たちが今のまま年を取れば戦争でも起きない限り早晩制度は破たんする」
当時20代だった僕は、同世代の人間がそんな見通しを持っていることに驚いたが、数字に裏付けられた解説に現実を突き付けられた気がしたものだ。
時代を経るにつれ、彼が言うように平均寿命は延び続け、核家族化や住環境の変化で自宅での看取りは急速に減少した。
昔は臨終を前にして医師と家族には阿吽の呼吸で判断を決めた。それが延命治療技術の進歩で家族はその選択を迫られることになった。
これは残酷なようで家族にとっては大きな負担減になっている。在宅で看護することになれば最低でも1人家族が専念せねばならなくなる。この役目はおおむね嫁が担うことで社会は回ってきた。
狭小な住宅で家族が倒れ、入院し、退院後も治療が必要になった時。自宅に戻ることが叶わなければ社会的条件を理由として病院に留まることになる。家族は収入を確保することができ、患者の様態に気を配ることからも解放されるという誠に便利なシステムが生まれた。
当時は病院のベッド数にも余裕があり、診療報酬も広く認められていた時代だからこそ成り立っていたシステムだったのかもしれない。
国民も「死」というものに次第に鈍感になっていった。じいちゃんばあちゃんの死に、孫はリアリティを失っていった。これは引いては「命」というものにヒトがリアリティを失っていった時代に妙に一致するように感じている。
時を経てこれまでずっと俯瞰して見ていると、彼の先見性の優秀さと課題を長い間放置して手を打ってこなかった国の無策ぶりに腹が立つと同時に僕を含め国民の愚鈍ぶりに頭を抱えている。
騙されているとは言わないが、この先この国をどうしていくのか、各世代で真剣に考えるべきなんじゃないのか?
国会議員も政党でなく、世代別のくくりもあっていいんじゃないかと思う。超党派でこうしたパーティーができて議論していくことこそ今必要なのではないかな?
■「入院より在宅」促進 診療報酬改定、遠隔診療も拡大
(朝日新聞デジタル - 02月10日 23:52)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4981974
ログインしてコメントを確認・投稿する