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2018年01月17日05:20

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深草の露のよすがを契(ちぎり)にて里をばかれず秋はきにけり 摂政太政大臣[藤原良経]

深草の露のよすがを契(ちぎり)にて里をばかれず秋はきにけり
 摂政太政大臣[藤原良経]
 千五百番歌合に
 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 293

「深い草に露が置くというわずかな繋がりを宿縁として、この荒れた深草の里を見捨てずに秋風が訪れ、秋は来たことだ。」『新日本古典文学大系 11』p.99

建仁二年(1202)頃、千五百番歌合 秋一。
深草 山城国の歌枕。高く茂った草の意を掛ける。
露 八雲御抄三[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]「春もよめど夏秋のものなり」。「わずかな」の意の「つゆの」を掛ける。
よすが 縁、えにし。
契 秋風は露を尋ねるものという習性をさす。
かれず 離れず。
参考「今ぞ知る苦しきものと人待たむ里をばかれずとふべかりけり」(在原業平 古今 雑下。伊勢物語四十八段)。
「初風」に「露」の歌。

藤原良経(ふじわらのよしつね 1169-1206)平安時代末期から鎌倉時代前期にかけての公卿。後京極良経とも。摂政関白・藤原兼実二男。和歌所寄人筆頭。
建仁二年(1203年)十二月、土御門天皇の摂政となり、建仁四年(1204年)には従一位、太政大臣。元久三年(1206年)三月七日深夜に頓死。享年三十八。
新古今集仮名序執筆者。新古今集入集七十九首、西行・慈円に次ぎ第三位。
千載集初出。勅撰入集三百二十首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合 再撰本』では在原業平と番えられている。
小倉百人一首 91 「きりぎりすなくや霜夜のさむしろに衣かたしき独りかもねん」
http://bit.ly/1di7DsW
http://bit.ly/ZCtCDG

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