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2018年01月16日05:19

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あけぬるか衣手さむしすがはらや伏見の里の秋のはつ風 家隆朝臣

あけぬるか衣手さむしすがはらや伏見の里の秋のはつ風
 家隆朝臣
 守覚法親王、五十首歌よませ侍りける時
 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 292

「一夜は明けたのか、袖が寒い。ああ菅原の伏見の里に吹く立秋の朝風よ。」『新日本古典文学大系 11』p.99

建久九年(1198)頃、御室五十首。
守覚法親王(しゅかくほっしんのう 1150-1202) 後白河天皇第二皇子。式子内親王の同母弟。仁和寺御室。
衣手 袖または衣全体。ここは前者。
すがはらや伏見の里 菅原にある伏見の里の意で、大和国の歌枕。「伏見」は地名と臥して目覚めた意を兼ねる。「あくる」の縁語。
参考「秋立ちていくかもあらねどこの寝ぬる朝けの風は袂涼しも」(安貴王 拾遺 秋、万葉集八にも)、「いざここにわが世はへなむ菅原や伏見の里の荒れまくも惜し」(古今 雑下 読人しらず)。
寒い立秋の風は荒廃した里の気分の反映か。
「立秋」「初風」の歌。

藤原家隆(ふじわらのいえたか(かりゅう)1158-1237)鎌倉時代初期の公卿、歌人。壬生二位と号する。和歌所寄人。新古今集撰者。
千載集初出。新古今四十三首。新勅撰集最多入集歌人。勅撰入集計二百八十四首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では小野小町と番えられている。
小倉百人一首 98 「風そよぐならの小川の夕ぐれはみそぎぞ夏のしるしなりける」
http://bit.ly/YMJEeS
http://bit.ly/YMJCDL

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