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2018年01月14日05:27

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ふく風の色こそ見えね高砂(たかさご)のをのへの松に秋はきにけり 藤原秀能

ふく風の色こそ見えね高砂(たかさご)のをのへの松に秋はきにけり
 藤原秀能
 最勝四天王院の障子に、高砂かきたる所
 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 290

「吹く風の色は見えないがその音を聞けば、高砂の尾上の松に秋は来たことだ。」『新日本古典文学大系 11』p.98

承元元年(1207)十一月、最勝四天王院障子和歌。
本説「松高、風有一声秋[松高うして風に一声(いつせい)の秋有り 松の高い梢を吹く風には、はや秋の声を聞く感がある]」(和漢朗詠集「納涼」源英明)。
最勝四天王院の障子 後鳥羽院が白河に建てた御堂。承元元年十一月落成。障子の図柄は高砂の秋景で、尾上の松に鹿。
高砂 奥義抄・中[おうぎしょう〔アウギセウ〕平安後期の歌学書。三巻。藤原清輔(ふじわらのきよすけ 1104-1177)著。天治元年(1124)〜天養元年(1144)の間に成立])は播磨国の歌枕説と「山の一の名」説をあげるが、松に寄せた場合は歌枕とみてよい。ここは歌枕。
おのへ 山や丘の上であるが「高砂の尾上」は歌枕。
上二句は極り文句であるが、本説の「声」を示唆する効用があり、下句には季節にかかわらないはずの常緑の松が秋を知らせるという趣向もある。
「立秋」「初風」の歌。

藤原秀能(ふじわらのひでよし/ひでとう 1184-1240)鎌倉時代初期の武士、廷臣、歌人。法号は如願。後鳥羽院歌壇で活躍。和歌所寄人(最年少)。
新古今集初出(十七首)。勅撰入集七十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では平兼盛と番えられている。
http://bit.ly/13ug1D7
http://bit.ly/13ugk0K

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