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2018年01月10日04:58

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いつしかとをぎの葉むけのかたよりにそそや秋とぞ風もきこゆる 崇徳院御歌

いつしかとをぎの葉むけのかたよりにそそや秋とぞ風もきこゆる
 崇徳院御歌
 百首歌に、初(はつ)秋の心を
 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 286

「早くも荻の葉の向きは一方に靡き、それそれ秋が来たよと風も告げるように聞える。」『新日本古典文学大系 11』p.97

久安六年(1150)、久安百首。
いつしかと 早くとせつくさまであるが、早くもの意にも用いる。
葉むけ 万葉語の「穂むけ」に基づく造語。
そそや それそれ、ほらほら。「物を聞き驚く詞なり」(顕昭・詞花集注)ともいうが、ここは「傍らなる人に物を告ぐるにそそやといへる」(名語記[みようごき 語源辞書。経尊 (きょうそん) 著。1275(建治1)成立]の意でよい。そよそよと吹く風の擬声辞でもある。
参考「秋の田の穂むけのよする片寄りに君に寄りななこちたかりとも」(但馬皇女 万葉集二)。「荻の葉にそそや秋風吹きぬなりこぼれやしぬる露の白玉」(大江嘉言 詞花 秋)。
「立秋」「初風」の歌。

崇徳院(すとくのいん 1119-1164)第75代天皇(在位 1123-1142)。仁平元年(1151)頃、藤原顕輔に命じて第六勅撰和歌集『詞花和歌集』を撰進させた。
詞花集初出。新古今七首。勅撰入集八十一首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では清慎公[藤原実頼]と番えられている。
小倉百人一首 77 「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」
http://bit.ly/19gRdh1
http://bit.ly/19gRh0o

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