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2018年01月09日05:09

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神南備の御室(みむろ)の山のくずかづらうら吹きかへす秋はきにけり 中納言家持

神南備の御室(みむろ)の山のくずかづらうら吹きかへす秋はきにけり
 中納言家持
 題しらず
 新古今和歌集 巻第三 秋歌上 285 巻頭歌

「神南備の御室の山に生い茂る葛、その葉裏を白々と風が吹き翻す秋は来たことだ。」『新日本古典文学大系 11』p.97

家持集・秋歌。
神南備の御室の山 成語。神南備も御室も神のいます所で、大和国では飛鳥の神岳(かみおか)や竜田大社のある竜田のそれが有名で、歌枕となる。
くずかづら 葛。マメ科の蔓性多年生草本。山野に叢生し、葉は大型の三出複葉、裏は青白い。
立秋をまず告げるのは風とされ、主語は風であるが、葛を中心に置いた視覚的な表現が新古今当時の嗜好に合ったか。葉裏の白は秋の色でもある。
参考「秋風の吹き裏がへす葛の葉のうらみてもなほ恨めしきかな」(平貞文 古今 恋五)。 
「立秋」「初風」の歌。

大伴家持 (おおとものやかもち 718?-785) 奈良時代の貴族・歌人。
拾遺集初出。勅撰入集六十三首。
「万葉集の歌人でその編纂に関わったと考えられている。家集『家持集』の内実は万葉集抄であり、新古今入集歌も多くは家持の真作ではない。」巻末 作者名索引 p.23
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では藤原清輔と番えられている。
小倉百人一首 6 「かささぎのわたせる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける」
http://bit.ly/17rUR93
http://bit.ly/17rUH1z

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