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2018年01月08日04:55

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みそぎする河の瀬みればからころも日もゆふぐれに浪ぞたちける 貫之

みそぎする河の瀬みればからころも日もゆふぐれに浪ぞたちける
 貫之
 延喜御時、月次屏風に
 新古今和歌集 巻第三 夏歌 284 巻軸歌

「なごしの祓をする川の瀬を見ると、日も暮れ、祓もすみ、一面に波が立っていることだ。」『新日本古典文学大系 11』p.96

貫之集「延喜六年(906)月次の屏風八帖が料の歌」の内「みなづきのはらへ」。
延喜 901-923 醍醐天皇の年号。
みそぎ 六月晦日の禊。夏越(なごし)の祓。川の瀬に出ていぐしを立て、大幣や撫物(人形)等を流す。宮中では御贖(みあがもの)の荒妙(あらたえ)和妙(にぎたえ)の御衣を最後に川に運んで紐を解き放つ儀式がある。
からころも 唐衣。衣の美称で、御贖の衣をさす。また紐、裁つ等の枕詞。
日もゆふぐれ 「紐結ふ」と掛詞。御衣の紐を結ぶことは、御禊の終ったこと。
浪ぞたち 川風が吹きはじめたからで、やがて秋もたつかという気持があろう。
参考「川風の涼しくもあるかうち寄する波とともにや秋は立つらむ」(紀貫之 古今 秋上)
「夏はつる」の歌。夏歌はこれで終了。

紀貫之(きのつらゆき 872-945)平安時代前期の歌人。古今集撰者、仮名序作者。
古今入集九十九首。三代集(古今・後撰・拾遺)最多入集歌人。勅撰入集四百七十五首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では藤原顕輔と番えられている。
小倉百人一首 35 「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける」
http://bit.ly/11nzSPR
http://bit.ly/11nzMrH

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