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2018年01月05日04:49

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片枝さすをふの浦なし初秋になりもならずも風ぞ身にしむ 宮内卿

片枝さすをふの浦なし初秋になりもならずも風ぞ身にしむ
 宮内卿
 千五百番歌合に
 新古今和歌集 巻第三 夏歌 281

「片枝を伸ばしているおうの浦の梨の片影は、初秋になったともならぬとも分からないが、風はまさしく身にしみることだ。」『新日本古典文学大系 11』p.95

建仁二年(1202)頃、千五百番歌合 夏三。
本歌「をふの浦に片枝さし覆ひなる梨のなりもならずも寝て語らはむ」(古今 東歌 伊勢歌)。
をふの浦 志摩国の歌枕。
なりもならずも その片陰は涼しく、すでに初秋の気配であるが、他の片側は依然夏なので、思い惑うさま。「梨がなる」と「秋になる」を掛ける。
「晩夏の涼」の歌。

後鳥羽院宮内卿(ごとばのいんくないきょう、生没年不詳)鎌倉時代初期の歌人。二十歳前後で夭折。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では和泉式部と番えられている。
新古今集初出(十五首)。勅撰入集四十三首。
http://bit.ly/ZFg4Fw
http://bit.ly/10D7l5C

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