雲まよふ夕べに秋をこめながら風もほに出でぬをぎの上かな
前大僧正慈円
夏の歌とてよみ侍ける
新古今和歌集 巻第三 夏歌 278
「雲が入り乱れる夕暮の空にはすでに秋の気配が見えながら、風はまだ穂を出さない荻と同様、音もなくその上を吹いていることだ。」『新日本古典文学大系 11』p.95
拾玉集[慈円の家集]「詠百首和歌」。
をぎ 薄に似てより長大。夏秋にかけて花穂を出す。
「晩夏の草」の歌。
慈円(じえん 1155-1225)平安時代末期から鎌倉時代初期の天台宗の僧。藤原兼実の弟。
千載集初出。新古今入集九十二首(西行に次ぐ第二位)。勅撰入集二百六十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では僧正遍昭と番えられている。
小倉百人一首 95 「おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染の袖」
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