なく蝉の声もすずしき夕暮に秋をかけたるもりの下露
二条院讃岐
百首歌たてまつりし時
新古今和歌集 巻第三 夏歌 271
「鳴く蝉の声も涼しく聞こえる夕暮に、さらに秋まで取りこんで冷ややかに置く森の下露よ。」『新日本古典文学大系 11』p.93
正治二年(1200)[後鳥羽]院初度百首。
蝉 「ひぐらし」であろう。
下露 下陰におく露。露は「春もよめど夏秋のものなり」(八雲御抄三[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書])。下露にはすでに秋の気配がある。
「蝉」の歌。
二条院讃岐(にじょういんのさぬき 生没年未詳 1141?-1217以後)源頼政の娘。
千載集初出。新古今入集十六首。勅撰入集七十三首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では高内侍と番えられている。
小倉百人一首 92 「我が袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らねかわく間もなし」
http://bit.ly/14qUlmQ
http://bit.ly/14qUeYu
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