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2017年12月15日10:52

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ワンコの絵をみて学芸員さんに褒められた話

数週間前、東京出張した時のこと。午後イチ、ポロッと時間があきました。夕方の打ち合わせまで時間をつぶそうと、竹橋の東京近代美術館に立ち寄りました。あと数日で私が好きな熊谷守一展がはじまる…というタイミングでした。惜しかった。特別展はあきらめて常設展だけ見ることにしました。午後2時前に館内放送でギャラリー・トークの案内がありました。学芸員があらかじめ3点ほどの作品を選び、それらについてディスカッションするというものです。1時間程度というので参加してみました。参加者は私を含め6人ほど。

2点目に見たのが日本画家・山口華楊による「洋犬図」。屏風なので、かなり大きい作品です。横2.5m縦1.5mぐらいありました。学芸員さんは「まずは説明なしで、自由に感じたことをお話ください」とあり、参加者は自由に発言をはじめました。

犬の毛並みや表情などディテールのついての発言が多かったでしょうか。私はやや離れたところから作品をみた時、構図について気がついたことがあり発言してみました。

「離れてみると、余白としての地と対象の犬さんたちの図のバランスがおもしろいと思いました。三匹の犬が左下に集まっていて、右上が残余の空間になっています。それと私の気の所為かもしれませんが、3匹の犬が組み合わさって“戌”という字が見えるのですが、いかがですか?“戌”という字に右上の点がないのは、絵を見る人が心の中で点を打つというユーモアでしょうかw。構図にとても配慮された作品だと思います。」

学芸員さん「なるほど、そういう見方もできますねぇ。私、気づきませんでした。」とえらく感心していただけました。他の方々も「見える、見える」「ウーン?」と反応はさまざまでした。いろいろな見方ができるのが、美術のおもしろいところです。

ちなみに、この「洋犬図」に描かれているのは、ボルゾイというロシアの犬だそうです。動物を描くことが得意な山口華楊は、ボルゾイを飼っていたセレブの家に通ってこの作品を昭和12年に完成させたそうです。たしかに雰囲気は貴族的なワンコですね。
実は私はワンコが怖い。嫌いじゃないけれど、あまり近くにいてほしくないです。私がこどもの時、ワンコに噛まれた恐怖がまだ忘れられないのです。心理的外傷を意味する「トラウマ」とう言葉、私は「トライヌ」と言い替えたいです。

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