ＡＩに置き換わる仕事

（長い長いお休みをいただいた報告は追い追いするとして）最低限の生活費を
保障するベーシックインカムについては私もブログで書いたことがあるが、あ
のホリエモンがＮＨＫのインタビューで「健全な社会であり続けるためには、
それをやるのが最適格だ」とコメントしているのには驚いた。さらに「仕事と
いう概念が変わるかもしれない」とまで言及している。この世に仕事を生きが
いにしている人は少なくないが、その呪縛に捕らわれて生きがいを見失ってい
る人が多いのも事実。彼の「（自分の時間を奪う）電話をしてくる人間とは仕
事をするな」という主張も部分的には同意できるし、やっぱりただ者ではない
と感じる。
　ベーシックインカムが注目されているもう１つの理由は、ＡＩ（人工知能）
によって将来的に失われる仕事が多く、働くことの意味を考え直す好機という
見方があるからだ。ＮＨＫでは大学の研究結果からその具体的な職種も挙げて
いたが、何と３１種類もあるという。例えば、レジ係。最近はこの辺の大型ス
ーパーでもセルフレジが増えてきたが、店に出入りするだけで自動的に決済で
きる仕組みもテレビで観たことがある。運送業もドローンの活用が予告されて
いるし、たいていの仕事は人間でなくてもできるのだ。
　では、取材して原稿を書く私の仕事はどうなのか。これは１０人ライターが
いれば１０通りの原稿ができるわけで、人間くさい仕事の１つとは言える。し
かし、型どおりに内容が伝わればいいということであれば、機械でも可能だろ
う。３１種類の中に電話オペレーターも含まれているが、アメリカでは直接会
わずに電話取材が当たり前らしい。だとすれば、その応用で記事ができること
になる。ＡＩにプロの棋士が負ける時代。私の仕事は人間でないとできない、
なんて高をくくるべきではないのかもしれない。