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2017年10月13日10:38

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ある意味間違った主張とは言い切れない

例えば「子供銀行券」や、人生ゲームの「紙幣」を偽造紙幣とは呼ばない。
故に今回の事例の様に「透かしもなくサイズも異なる」モノは偽造紙幣ではない、という主張は、一応筋は通っている。

そもそも「本物と勘違いする可能性」自体が、偽造紙幣に関わった人の主観に基づくもの。
今回の事例だと、使用した知人は未確認。
受け取ったコンビニ店員や量販店店員も即座につき返したり上司に相談したり。
つまり確認した全ての人が、個人の主観に基づき「本物と誤認しなかった」のが事実。
判決の「周囲の明るさ、状況次第では本物と勘違いしてしまう可能性が十分にある」という判断は、その事実に反する裁判官の主観でしかないのではないか?
この指摘をするのであれば、一般店舗であり得る最悪条件で、どの程度誤認が生じうるかを検証する等の、定量的な実験結果が必要ではないだろうか?

もしかしたら被告が「知人を陥れる為に実行した」と認めている故に、偽造に関する判断を裁判官の主観で片づけたのかもしれない。
でも、原則として過去の判例は他の裁判にも影響する。
その影響を考えると、疑問の残る判断は好ましいとは思えないのだが?

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■【衝撃事件の核心】偽札のレベル低ければ無罪? サイズ小さく透かしもない…男の裁判員裁判で下された判決
(産経新聞 - 10月13日 06:02)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=3&from=diary&id=4810218

 作成した偽札がどれほどつたないものだったか−が争われた裁判が9月、大阪地裁であった。自宅のプリンターで1万円札をコピーして偽札1枚を作ったとして、通貨偽造罪に問われた大阪市の介護士の男(39)に対する裁判員裁判。弁護側は被告が作った偽札が「透かしもなく、サイズも本物より小さいなど、『偽造』のレベルに達していない」として、同罪の成立を否定し、無罪を主張した。普通なら偽札は見破られないように精巧に作ろうとするもの。ではなぜ、男は下手な偽札を作ったのだろうか。被告は不満を抱いていた知人に偽札を使わせ、逮捕させることが一番の目的だったのだ。

あっさり見破られ

 被告は1月末〜2月上旬ごろまでの間、大阪市内の自宅で、プリンターで本物の1万円札を両面コピーして偽札1枚を作ったとして、4月に起訴された。この偽札は被告が自分で使うためのものではなく、精神障害のある知人を陥れる道具にするためだった。

 検察側の冒頭陳述によると、被告は4月9日未明、大阪市内の公園で知人男性と待ち合わせ、作った偽札を地面にあらかじめ落としておき、知人が拾うよう仕向けた。

 被告の思惑通り知人は偽札を拾い、量販店でチューハイ2本を買おうとして店員に見破られ、警察に通報、逮捕された。

 なぜ被告は知人を陥れようとしたのか。被告人質問で被告は理由をこう説明した。

 「『パチンコで負けたから金をくれ』とせびられて、我慢の限界で爆発した」

 金の無心以外にも、知人から会う約束をすっぽかされたことなどが不満の原因となっていたという。

 被告の「知人を陥れる」という目的は達成されたが、結局、自分も逮捕、通貨偽造罪で起訴されることになった。

一見して偽札なら

 公判で弁護側は、偽札は「偽造」のレベルにないと訴えた。

 一方、検察側は冒頭陳述で「『偽造』といえるためには、一般人が一見したときに、本物の通貨だと勘違いしてしまう程度に似ていればよい」と主張した。折りたたんだり、丸められたりした状態で本物と勘違いする程度であればよく、本物と大きさや色を比較してやっと偽物と判別できる程度までは必要ない−というわけだ。

 実際に法廷で示された偽札は、本物と比べて縦が3ミリ、横が4ミリ小さいものだった。「福沢諭吉」の顔かたちはそのまま印刷されているが、色は本物と比べて若干赤みがかっていた。偽造防止の透かしはなく、ホログラム部分は光らずに白いだけだ。

 事件で知人は偽札を店舗レジで差し出したが、最初に訪れたコンビニの店員はすぐに突き返した。その後に行った量販店でも店員が不審に思い、上司を通じて通報に至った。

 少なくとも精巧なものとはいえない。

知人「お金拾ってラッキー」

 では、肝心の知人は偽札と思っていたのだろうか。公判では知人の証人尋問が行われた。

 検察官「拾った金はどういう金だった」

 知人「2つに折られて落ちていた。(拾って)ラッキーだと思った」

 検察官「偽物だと思ったことは」

 知人「本物だと思って財布に入れた」

 続いて弁護側。

 弁護人「拾った金は2つ折りだったのか」

 知人「はい」

 弁護人「それでお金と分かったのか」

 知人「札に見えたので」

 弁護人「お札を広げて確認しなかったのか」

 知人「はい」

 知人は「それ」を財布に入れ、コンビニで使おうとしたが、店員が無言で突き返してきた。

 弁護人「何で受け取らなかったか疑問に思わなかった」

 知人「はい」

 被告人質問でも知人の認識をめぐる質問が行われた。

 弁護人「普通なら偽札だと分かるものをなぜ知人なら使うだろうと思ったのか」

 被告「普段から『金をくれくれ』という性質なので、知人なら軽いのりで使うと思った」

 弁護人「コンビニから量販店へ行く途中の会話は」

 被告「知人が『お札の光っているところ(ホログラム部分)って金色やんな』と言ったので、『お前あほか、シルバーやぞ』と。その後、知人は疑うような目つきで万札を広げて見ていました」

「本物と勘違いするレベル」

 これらのやりとりを踏まえ、弁護人は最終弁論で「お金を拾ったのに広げて確認しないなどということがあるだろうか」と知人の行動の不自然さを指摘。「偽札と分かっていたのではないか」と疑問を呈し、知人の「偽札とは思わなかった」との証言が信用できないとした。

 つまり、被告の作った偽札は知人、コンビニの店員、量販店の店員と、「それ」に接したすべての人が偽札だと気づくレベルでしかないということを訴えているのだ。

 刑法の通貨偽造罪は「行使の目的で、『通用する』貨幣、紙幣を偽造し」とされている。量刑は「無期または3年以上の懲役」だ。国家経済の根幹を成す通貨の偽造は国の信用にかかわるだけに、どの国でも金額の多少にかかわらず重罰に処せられる。

 弁護側は、被告の作った偽札が流通する可能性は低いとして、無罪を主張した。

 しかし、注目の判決は懲役3年、執行猶予4年の有罪判決だった。

 判決は、偽札が本物より小さく、透かしやホログラムはないが、文字や模様、肖像などは本物と酷似していると指摘。全体としてみれば「周囲の明るさ、状況次第では本物と勘違いしてしまう可能性が十分にある」と判断した。知人の認識は事実認定で触れなかったが、店員らが見抜いた点を踏まえても、偽札は「偽造」に当たると評価した。

 被告は最終意見陳述でこう述べていた。

 「知人に卑劣な行為をしたことは深く反省している。今後は助けを必要とする人の助けとなり、信用してもらえるよう立派な介護士になるよう精進したい」

 判決理由では、知人を陥れようとした動機を「卑劣で強い非難に値する」とされたが、事実関係を認めていることなどを考慮し、執行猶予が相当と判断した。

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