『５０年後のボクたちは』

　親の仕事の都合でその街（ベルリン？）に住む主人公はちょっと複雑な男の子。クラスの中でも疎外感を覚えている。担任の教師からも理解されない。恋しているクラス１の美少女の誕生日パーティーからも呼ばれない。もう一人、パーティーに呼ばれなかった少年がいる。転校してきたばかりのロシア系（中央アジア系）の少年で、１４歳なのに酒を呑んで学校に来ている。頭は悪くない。この二人が夏休み、無免許運転で南方へ旅をしていくロードムービー。

　アルコール依存症の母とそんな母を尻目に若い愛人とともに出掛ける父親（ろくなもんじゃない）。様々な人との出逢い。警官からの逃亡。ホームレス？の少女との恋。リチャード・クレイダーマンの音楽テープ…。罪を親友に被せることなく罰を受け容れた少年は大人になった。。


　まだまだ物を知らない子どもたちの物語だが、ここに於いても彼らを取り巻く世界情勢や環境の変化とは無縁ではない。移民問題、人種差別、原発…。単に「再会を期した50年後の僕たちはどうなっているだろうか」と言っているわけではないのだ。かえりみて日本映画ではどうだろう。