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日記一覧

『ベテラン』
2015年12月31日23:56

 韓国映画を観ていると、向こうの警察のどうしようもないダメっぷり(間抜けだわ無能だわ不正はするわ誤認逮捕はするわ…)ばかりが目についてしようがない(これは長年、韓国の官憲が時の政府や軍部の指示を受けて、或いは財閥と結託して一般市民を弾圧する

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 ハンガリーの映画監督が日本(那須)に来た時、どうやら九尾の狐伝説を聞きかじったらしく、どこがどうなったのか(あえてググってないけど)それがトニー谷やら昭和歌謡やらと結びついて(本当にどうして結びついたのか理解不能(笑))、実にケッタイな映画

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 監督:エドワード・ズウィック 原題:Pawn Sacrifice  肩で風きる 王将よりも 俺は持ちたい 歩のこころ 勝った負けたと 騒いじゃいるが 歩のない将棋は 負け将棋 世間歩がなきゃ なりたたぬ (『歩』 歌唱・北島三郎、作詞・関沢新一) まあ(

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 『フルートベール駅で』という社会派ノンフィクション映画を撮ってデビューしたライアン・クーグラーが、その映画に主演したマイケル・B・ジョーダンを使って、かの『ロッキー』の続編を撮ってしまった(企画原案、脚本(共同)も)というある種の痛快さ。

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『ひつじ村の兄弟』
2015年12月25日00:32

 ほぼ現代のアイスランド。牧羊業を営む2人のいい年をした兄弟は仲が悪くて隣に住んでるのに40年も口をきかない。それは兄弟の片方に父親が依怙贔屓したせいだった…。という物語の構造がハッキリ見えてくると、「ああ、これはカインとアベルか」と分かって

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 ミステリーでもないのに、何を書いてもネタバレと叱られる。 阿呆かいな。しかし観客は別に映像を観て今更驚くこともないわけで、 誰と誰が誰であれしてこれして…というところに(しか?)興味が 持てないのだとしたら、それもむべなるかな。 だからこ

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『独裁者と小さな孫』
2015年12月25日00:29

 イランの映画監督(例によってこの人、モフセン・マフマルバフも事実上亡命中)の作品だが、ロケ地はグルジア(「ジョージア」と呼べということらしいのだが、そんなもんこっちの勝手である。「イギリス」にしても「オランダ」にしても日本語として定着して

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『母と暮せば』
2015年12月16日00:08

 井上ひさしが書こうとして果たせなかった『母と暮せば』はこんな感じだったのだろうか。庶民の戦争責任という観点からは もっと突き放したものになっただろうが、一方重度のマザコンであった井上ならばきっと描くに違いない母と息子の近親相姦的な濃密な繋

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『ハッピーアワー』
2015年12月16日00:06

  神戸という街は複層的である。大正期に急激に膨張し、阪神大水害、空襲、山を崩して海を埋め立てるという都市変貌、そして震災とその都度、街の顔を完全に塗り替えてきた。それだけなら日本の他の大都市とそう変わらないのかもしれない。神戸の特徴的なと

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 杉原千畝に命を救われたユダヤ人、その子どもたちと同世代の人々も既に老境。イスラエルに於ける老人福祉制度は比較的進んでいるようで、元来ユダヤ教を背景とした家族の強い結びつきで成立してきたイスラエル社会が、1980年代、建国第一世代の老齢化を受け

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 こういういわゆる歴史大作(世界的に考えると別に「大作」じゃないんだけどね)を日本が作ると、ここ十年二十年は、いかにも予算がない、プロットがガタガタ、とにかくだらだらと長い、監督が自分でシナリオ書いたりして独り善がりに…といった問題点ばかり

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 監督 ベルトラン・ボネロ  出演 ギャスパー・ウリエル、ジェレミー・レニエ、 レア・セドゥー、ドミニク・サンダ 『イヴ・サンローラン』2014年1月公開 『SAINT LAURENT サンローラン』2014年9月公開 (いずれもフランス本国に於いて) や

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 原題:Art and Craft 創作活動と贋作作りというのは正反対のようでいて、実は全くそうではないのではないか。数十年に渡り、ありとあらゆるタイプ、タッチ(風景画、抽象画からディズニー、チャーリー・ブラウンまで)の名画の贋作を数百点作成し、アメリ

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こっちは観覧車じゃなくて、『ミステリーゾーン』所縁の回転木馬。 おい、原題どおり「The Rewrite」じゃイカンのか。別の場所、職業で人生を見つめ直すという内容であるが、別に人生をやり直すわけじゃないんだから。 脚本家が脚本家と脚本についての映

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 原題:Woman in Gold  監督:Simon Curtis(『マリリン 7日間の恋』) 20世紀が終わる頃、ある裁判のニュースが世界を仰天させた。アメリカに暮らすマリア・アルトマン(82歳)が、オーストリア政府を訴えたのだ。“オーストリアのモナリザ”と称えられ、

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 話は前作の続きでありダニエル・クレイグ版007の集大成(スペクター=ゲルショッカー的な)であるが、前作のようなダークでしんどいトーンではなく、サム・スミスの歌で踊るタコのオープニングから始まって(笑)、徹頭徹尾娯楽スパイ映画に徹している。子ど

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『アレノ』
2015年11月29日01:59

 感想を書く前に、エラいことを意外な人物に指摘されてしまったという話。 『かぞくのくに』『夏の終り』『ゲゲゲの女房』など意欲的な活動を続けている映画配給・製作会社スローラーナーを率いる越川道夫プロデューサーが、今作で脚本(共同)・監督を初めて

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 劇中特段説明はないが(言語はドイツ語っぽいなあとは思うけど、通貨は交わされる会話の内容から判断して価値的にユーロじゃないからユーロ圏ではないことは分かる)、舞台(ロケ地)はハンガリー・古都ブタペスト。ハンガリーはハンガリー語、通貨はフォリ

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『サヨナラの代わりに』
2015年11月23日23:49

原題:You're Not You 大枠としては『最強のふたり』と同じ。舞台をパリではなくNYで、主人公2人も男同士ではなく女同士(別にリメイクというわけではなく、原作小説があるそうな)。 余命数年のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者とそれを介護する健常者、

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『恋人たち』
2015年11月23日23:48

 橋口亮輔が死にたいほどの苦悩と苦心の末に描き出したものは、摩天楼東京にも何とか残る青い空だった…。 無名の新人3人の剥き出し演技を中堅の芸達者役者たち(※)がサポートしている。それはそのまま劇中の迷える主人公たちをそれぞれ周囲の人間たちが見

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 アポロは月に行ってないと真顔でいうひとがいる。日本にもいるし、おおもとのアメリカにもいたりする。じゃあ月から送られてきた映像は?というと、「映画のスタッフが作った偽装工作物」だと言う。あのスタンリー・キューブリックならば作れると。まあ確か

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『果し合い』
2015年11月16日23:53

(映画館鑑賞したことに内容も考え合わせ、これは映画扱いする、すべきである) 脚本家としても結構キャリアが長い(二時間ドラマやアイドルドラマ、さらに確認すると かの朝ドラ『君の名は』でも終盤のピンチヒッターを務めている)小林政広だが、時代劇の

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 「起点終点」って『ヨルタモリ』中にあったコーナーみたい(笑)。「始まりは終わりであり、終わりはまた始まりである」byタモリ。実際、この作品のモチーフも同じである。人生のどん詰まりで贖罪に生きる男が再出発を図るまでの二十数年間…。因みに「起終点

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 『エベレスト』もそうやけど、実話に基づけばええとゆうわけやおへんのやで。 オールスターキャストの戦争映画って一度は作ってみたいと、映画製作者(監督というより)は思うものなのかもしれない。『史上最大の作戦』みたいなやつ。(そういえば、今作に

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『エール!』
2015年11月08日20:35

 フランスのとある田舎。聾唖者である父母弟を支えて生きてきた健常者の高校生女子が歌唱の才能に目覚め自らの人生を切り拓くため家族の元から旅立っていくまでの葛藤と家族が彼女を理解して応援するまでのジレッたいプロセスを、笑わせて泣かせてキッチリと

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『俺物語!!』
2015年11月08日20:33

 こういうのも、何を書いても蛇足という気がする(笑)。 『シラノ・ド・ベルジュラック』の設定を870度ぐらいコジらせたような(笑)奇妙な勘違い三角関係ネタだけに、サブプロット無しで2時間近く引っ張っている。原作でいえばたぶん1巻=導入部の、2人が

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『マイ・インターン』
2015年11月08日20:33

 監督:ナンシー・マイヤーズ(『恋愛適齢期』)  粗筋とか説明不要だよね。 大人のおとぎ話であり、人生讃歌、シニアへの応援歌であり、リアルな取材が根底にあるものの最終的に八方うまくおさまる理想的なうまいお話。淀みのない語り口が周到で、余計な

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『白い沈黙』
2015年11月08日20:32

 また何だか分からない悪邦題。確かに雪やら氷やら出てくるけど。原題(The captive)を踏まえて、「囚われの少女」とかでよかったんじゃないか。 ナイアガラの滝も凍りつくように登場人物たちの時間は動かない。仲睦まじく暮らしていた一家を襲った突然の

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『シーヴァス』
2015年11月01日21:47

 (邦題の副題が長い。そもそもあれは副題というのか。あんなもの書かない) 春、雪が残るトルコは東部の丘陵地帯。少しずつ近代化の波は及んできてはいるのだろうが、今も牧畜で暮らしている者が少なくない。そんな世界で生きる一人の小さな少年が一匹の闘

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原題:CLOUDS OF SILS MARIA SILS MARIAは舞台となる場所の名前であるが、ジュリエット・ビノシュ演じるヒロインの名前もマリアである。 おお、ビノシュって変換すると「美の主」になるよ。 簡単に、サーッと感想を述べてしまうのは惜しい。 決して難しい

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