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2017年09月23日13:47

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『あさがくるまえに』


 フランスを舞台に脳死と臓器(心臓)移植というモチーフに真正面から向かい合った佳作。
愛する息子を交通事故で亡くそうとしている家族。心臓病を抱える女とその息子たちや友人。ドナーからの提供を暗に求めつつ、ドナーへの尊厳も忘れない医師。彼らを結びつける臓器移植コーディネーター。特別なことは起こらない。奇跡も起こらない。普通に生きてきた、しかしそれぞれにたった1つの命への思いが真摯に語られていく。

 失われる命がなければ救われない命があるという矛盾。綺麗事ではないけれど、それでも命は繋がっているのだ。



 エンドロールに流れる、デヴィッド・ボウイの歌「FIVE YEARS」が胸にしみる。
 
 http://hollippertronics.blog24.fc2.com/blog-entry-136.html

スーパーマーケットの駐車場で母親たちが泣いている
ニュース番組は報道する「地球はあと5年で滅亡する」
ニュースキャスターが「地球は本当に死にかけている」と言いながら
号泣するのをみて これが本当のニュースだと知る

混乱した僕は あちこちに電話をかけ オペラハウスに行き 大好きな曲を聴き
覚醒した後で 身の回りのいろんなものを眺めた
いま僕の頭の中はぎゅうぎゅうの倉庫みたいに
何もかも全てのものが詰め込まれて混沌としている

太った人 やせた人
背の高い人 小さな人
会ったこともない人々 全てのどこかの誰か
こんなにたくさんの人間が必要だとは思えない

僕らと同世代の若い女が発狂して 小さな子供たちを殴り続ける
もしあの黒人が止めなかったら 彼女は全員殺していただろう
腕を怪我した兵士は ただひたすらキャデラックの車輪を見つめ続ける
警官が聖職者の足にキスするのを見て同性愛者は吐いてしまう

僕はアイスクリームパーラーで
冷たいミルクシェイクを飲んでる君を見つける
笑顔で手を振る君はとてもかわいい
まさかこんな悲惨な歌に君が出てくるとは思わないだろう

寒くなって雨が降り まるで現実感がない
もうこんなところにいたくない 君のそばに行きたいんだ
君の顔 君の人種 君の話し方
僕は君にキスをする 君は美しい 君に歩いてほしいんだ

5年間 現実が突き刺さる
5年間 信じられない
5年間 頭がすごく痛い
5年間 たったそれだけしかないんだ
5年間 なんてことだ
5年間 まぎれもない事実
5年間 頭がひどく痛む
5年間 それだけが残された時間
5年間 直視するしかない
5年間 ひどいことだけど
5年間 頭がすごく痛いんだ
5年間 その間に何をすればいいんだ
5年間 信じられないけど
5年間 それが現実なのだ
5年間 頭がひどく痛んでも
5年間 それしか時間がないことを受けいれるしかないんだ
5年間
5年間
5年間
5年間

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