mixiユーザー(id:6859258)

2017年09月02日18:20

504 view

第42回湯布院映画祭レポート(4) 「時代劇は死なず ちゃんばら美学考」シンポ(前半)

 
-----------------------------------------------------------------
<前回のラスト>
エンドクレジットが流れ終わるのを待って、スクリーンに拍手を送り、席を立ちます。
次は、この作品に関するシンポジウム。
ロビーを横切り、階段を上がってゆき、2階視聴覚室へ移動します。

さて、どこに座ろうか。
------------------------------------------------------------------

■24日(木)■ ≪シンポジウム 「時代劇は死なず ちゃんばら美学考」 20:15〜21:45 ≫

夜のシンポはこの部屋を横長方向に使っており、昼間は太陽光が射し込む関係等で縦長に利用しています。
その都度パイプ椅子を並べ替えるのですから、なかなか大変なのでしょうね。

パイプ椅子は全部同じタイプではなく3〜4種類が混在しています。
クッションが良く効いたものは1種類だけで数が少なくて。 すぐお尻が痛くなる私の、席の選択基準はそこがクッションの効いた椅子かどうか、が最優先。
友人は何時間座っていても大丈夫という ” 鉄のおケツ ” の持ち主なので、羨ましいことこの上なし!(笑)

上映会場で私は通路脇の席に座っているので、上映後は速やかにシンポ会場へ移動でき、取ろうと思えばたいてい最前列の席を確保することが可能。
友人はスクリーンを正面から観られる、列の真ん中辺りの席ですから、移動にはどうしても時間がかかってしまいます。
この時はまだ友人に、なるべくなら最前列に座りたいシンポがあるかどうか確認していなかったため、2人分の席を確保することはせず、私は通路を挟んだ右側エリアの通路脇最前列にしたのでした。

バッグを椅子に置いてトイレに行ってくると、友人は通路を挟んだすぐ隣り、前から2番目の席に座っているではないですか。
良かった。 注意事項を一つ伝えておきたかったんです――「シンポが終わったら、あまりゆっくりしすぎないように退場しましょう。 パーティー会場へ移動するバスの第一便に、定員オーバーで乗れなかったらいけないので」

間もなくゲストの皆さんが入って来られ、前の長机の向こうへ座られます。
左から、山本千尋さん、中島貞夫監督、福本清三さん、右端が司会担当の実行委員の並び。
まずい・・・・!
たいていは、この逆で、左端に司会役が座ることが多いのですが。
で、女優ゲストは、いま私たちが座っている場所に近い方の席に腰かけてくれるものなのに、今回は反対側(悲)。

私の座る右側エリア最前列の椅子は、真ん中エリアに比べ少し後ろへ下げられており、ために真ん中エリア最前列の人に邪魔されて千尋ちゃんが見えづらいのです。
ぬかりました(悔)。

シンポが始まってすぐは、客席のあちこちからゲスト席に向けカメラのシャッターが押されます。
私はカメラの類いを全く持って来ておらず。
おっ、友人は撮る気まんまんじゃないですか。
けれど、この部屋は床に傾斜がなく、前の人が邪魔になり撮りにくそう。
私に、「ちょっと席代わってもらえます?」と拝んできます。
もちろんOKで、すぐチェンジ。
すると、最前列の人と人の間から、千尋ちゃんがよく見えるではないですか。
ラッキー♪(笑)

冒頭まず司会者より、「今年はOさんが体調不良で不参加なので、皆さんでその穴を埋めて、シンポを盛り上げて下さい」 とのお知らせとお願いがなされます。
名物論客――「失礼します」 のOさん、今年はおられないのか。

監督 「こんなに遅くまで、これだけの人が残ってくれるとは・・・・! びっくりしてるんです。 チャンバラ映画を撮りたいが、賛同を得られず、予告編的なものをまず作ろうかと意図して、これを作りました。 60年以上前に映画界へ入って・・・ 東映なんですけど、まず京都へ行けと言われまして――」 と、ご自身の映画人生をざっと振り返られ、「最後の一本として時代劇を作りたい。 そのために、まず、これを作ったという訳です」

山本 「2014年に 『太秦ライムライト』 に出演し、それに中島監督も出ておられたので、この作品にお誘いいただきました。 チャンバラ映画について全く知らなかったので、勉強させてもらったという感じです。 本作で立ち回りが出来ると喜んでいたら、それが無くて。 『今回は、斬られる側のむずかしさを勉強しなさい』 と言われました」

監督 「実は、僕と福本くんは、映画界に入ったのが同じ年なんです。 彼は15歳の時、僕は大学を出てからという差はありましたが、キャリアは一緒で。 とにかく彼は礼儀正しくて、真面目ひと筋でやってきた人。 僕の東映京都での作品は五十数本ありますが、半分以上は彼に出演してもらってます」

司会者が福本さんに質問を投げかけます、「誰か、斬ってみたい人がいますか?」
福本 「斬られる方がいいですね。 主役を立てるため、斬るより斬られる方が遣り甲斐があります」

中島監督は、殺陣のうまい役者として、若山富三郎、中村錦之助、近衛十四郎(松方弘樹の父)の名前を挙げます。
司会から 「近衛十四郎の映画を観たことがありますか」 と訊かれ、千尋ちゃんは 「えへへ」 と頭をかき、「この映画の中の映像でちょっとだけ」。 まあ、仕方ありません。 私だって、五十歩百歩ですから(汗)。
明日の一本目の 「忍者狩り」 に近衛さんが主演されていますが、千尋ちゃんは明日早く、仕事のため沖縄へ行かなければならないのだそう。

中島監督が、本作の中で父(近衛)について語る松方さんのことをたくさん話されましたが、私は居眠りしてしまい、しっかり観られていないためピンとこなかったのが残念。
とにかく、楽しそうに色んな事を語ってくれました。

山本 「 『太秦ライムライト』 で松方さんと福本さんの立ち回りを生で見させてもらったんですけど、テストの時はふわ〜っとしていたのに、本番になるとがらっと変わり凄い迫力で、圧倒されました。 この 『ちゃんばら美学考』 で松方さんが、” 父(近衛)と相対したが、その迫力に、立ち回りを忘れてしまった ” と語られていましたが、私も 『太秦ライムライト』 の時、福本さんの鋭い目力に、立ち回りを忘れてしまったことがあります」

彼女は、また、「 『太秦ライムライト』 の時はずっと長回ししていたのですが、最近の立ち回りは、二手、三手ごとにカットを割って、細かく撮ってるんですね。 なんか物足りなくて。 『太秦ライムライト』 の時のようなやり方が、やっていて楽しいので、またそういう現場につきたいと願っています」
千尋ちゃんは、小さい頃から中国武術をやっていたのだそう。

                           (この項、続く)
 
2 7

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する