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2017年08月31日05:04

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春ふかく尋(たづ)ねいるさの山のはにほの見し雲の色ぞのこれる 権中納言公経

春ふかく尋(たづ)ねいるさの山のはにほの見し雲の色ぞのこれる
 権中納言公経
 千五百番歌合に
 新古今和歌集 巻第二 春歌下 156

春の暮、奥深く花を尋ねて入った入佐の山は花はなく、山の端に昔ほのかに見た花の雲の色が残っているばかりだ。」『新日本古典文学大系 11』p.61

建仁二年(1202)頃、千五百番歌合 春四。
本歌「梓弓いるさの山に迷ふかなほの見し月のかげや見ゆると」(源氏物語・花宴)。
ふかく 「春ふかく」と「ふかく尋ね」とを掛ける。
いるさの山 但馬国の歌枕。「たづねいる」と掛詞。
山のは 山の稜線。尾根。
ほの見し雲の色 花盛りの頃わずかに見た遠山の花の、白雲と紛う色。
山深く入り、眼前に見る尾根の白雲から昔の遠山の花の色を思い起こした趣向。
「花の跡を尋ぬ」の趣。

西園寺[藤原]公経(さいおんじきんつね 1171-1244)平安時代末期から鎌倉時代前期にかけての公卿・歌人。定家の義弟。
新古今集初出(十首)。新勅撰集三十首(入集数第四位)。勅撰入集百十四首。
小倉百人一首 96 「花さそふ嵐の庭の雪ならでふりゆくものは我が身なりけり」
http://bit.ly/11078uD
http://bit.ly/1107dOL

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