おもひたつ鳥は古巣(ふるす)もたのむらんなれぬる花のあとの夕暮
寂蓮法師
千五百番歌合に
新古今和歌集 巻第二 春歌下 154
「旅立ちを心に決めている鶯は谷の古巣をあてにしてもいよう。が、私は馴れ親しんだ花が散ったあとの夕暮をどうしよう。」『新日本古典文学大系 11』p.61
建仁二年(1202)頃、千五百番歌合 春四。
古巣 谷の奥にある住み古した巣。鶯は早春ここを出て晩春に帰り、越冬するとされていた。
参考「花は根に鳥は古巣に帰るなり春の泊りを知る人ぞなき」(崇徳院 千載 春下)。
「花の跡を尋ぬ」の趣。
寂蓮(じゃくれん 1139?-1202) 平安時代末から鎌倉時代初期にかけての歌人、僧侶。藤原俊成の甥。和歌所寄人。
千載集初出。勅撰入集百十六首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では源重之と番えられている。
小倉百人一首 87 「むらさめの露もまだひぬ真木の葉に霧たちのぼる秋の夕暮」
http://bit.ly/Zyrc6R
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