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2017年08月21日05:10

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いかにせん世にふるながめ柴の戸にうつろふ花の春の暮れがた 太上天皇[後鳥羽院]

いかにせん世にふるながめ柴の戸にうつろふ花の春の暮れがた
 太上天皇[後鳥羽院]
 大神宮に百首歌たてまつり侍りし中に
 新古今和歌集 巻第一 春歌下 (1980 切出歌)

「さてこの悶々の情をどうすればよいのか。世に長らえて物思いをしている――長雨も降り――柴の戸のあたりに花も色衰えた春の暮れ方となって。」『新日本古典文学大系 11』p.58

後鳥羽院御集「建仁元年(1201)三月、内宮御百首」。
本歌「花の色はうつりにけりな徒らにわが身世にふるながめせしまに」(小野小町 古今 春下)。
大神宮 皇大神宮[こうたいじんぐう 三重県伊勢市にある神社。伊勢の神宮の二つの正宮のうちの一つである。一般には内宮(ないくう)と呼ばれる]。
世にふるながめ 「降る」と「経る」、「長雨」と「ながめ」は掛詞。
柴の戸 雑木の枝折戸で庵のさま。「ながめし」と「しば」と掛ける。
切出歌[精選過程で除棄された歌。全十七首]。
144から「春の山風」の歌だが、この(1880)は配列になじまず疑問。

後鳥羽院(ごとばのいん 1180-1239)平安時代末期から鎌倉時代初期にかけての第82代天皇。新古今集の実質的な撰者。
新古今撰入三十五首。勅撰入集二百五十八首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では自分自身を中務卿具平親王と番えている。
小倉百人一首 99 「人もをし人も恨めしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は」
http://bit.ly/YYVdij
http://bit.ly/159tuQy

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