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2017年07月26日05:57

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時しもあれたのむの雁の別れさへ花ちるころのみ吉野の里 源具親

時しもあれたのむの雁の別れさへ花ちるころのみ吉野の里
 源具親
 百首歌めしし時、春歌
 新古今和歌集 巻第一 春歌下 121

「時もあろうに頼みにしていた田の面の雁との別れまで落花の時節にあう吉野の里よ。」『新日本古典文学大系 11』p.52

正治二年(1200)[後鳥羽]院後度百首「花」。
本歌「みよし野のたのむの雁もひたふるに君が方にぞ寄ると鳴くなる」(伊勢物語十段)。
たのむの雁 「君が方に寄る」というのでいつまでも居るものと思っていた田んぼの雁。
本歌によって「田の面」と「頼む」を掛けるのは常套。
み吉野の里 伊勢物語に「入間の郡みよし野の里」と明記され、八雲御抄五[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]も武蔵国の歌枕とするそれを、大和国の「み吉野のよし野」に重ね合わせて、雁と落花を取り合わせたのが趣向。
「山里の落花」の歌。「落花」に景物として「帰雁」を取合わせる。

源具親(みなもとのともちか 生没年未詳)鎌倉時代初期の官人・歌人。宮内卿の同母兄。和歌所寄人。
新古今集初出七首。勅撰入集二十一首。
http://bit.ly/16SMFPI
http://bit.ly/16SO6h6

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