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2017年06月30日05:43

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小林信彦『わがクラシック・スターたち 本音を申せば』文藝春秋 2017年5月刊

昨日読んだ本。
小林信彦『わがクラシック・スターたち 本音を申せば』装画 友田シトウ 装丁 大久保明子 文藝春秋 2017年5月刊。

https://bookmeter.com/books/11737601
https://www.amazon.co.jp/dp/416390655X
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906553

「渥美清や植木等、喜劇人たちの素顔から、ニコール・キッドマン礼賛、定点観測する夜のラジオまで。「週刊文春」好評エッセイ19弾。」

「すぐれた人々が、なぜすぐれているか―若い人はもう知らない。いま見ても輝いている名優たち。テレビやラジオを盛んにした昭和30年代の良き友人たち。とっておきのエピソードで綴った2016年のクロニクル。「週刊文春」好評連載単行本化第19弾。」

『週刊文春』2016年1月14日号〜2016年12月29日号連載「本音を申せば」49篇。

1998年に連載が開始され、毎年一冊刊行されている「クロニクルであるエッセイ集」p.260 の19冊目。

年金生活で週刊誌を買えない私の一年に一度のお楽しみです。

1932年12月12日生まれの著者の最新刊を今年も読むことが出来ました。
来年もまた読めますように。2017年6月現在、『週刊文春』連載は休載中で心配しています。

「去年[2015年]の日本映画のベスト1は『海街diary』と思っているので、ブルーレイをずいぶん早く買って、暖かくなるのをたのしみにしている。「四姉妹の恋に新展開!」というオビのついた『あの日の青空』(海街diary 7 小学館[2016.1])を見かけて、すぐに買った。吉田秋生さんの絵、男女の会話、呟き、など、すべて好きなのである。
 … 
吉田秋生さんの描く四姉妹の生き生きとした動き、叫び声が、映画と重なってひびいてくる。これは映画とコミックの幸せな結合だとつくづく思う。」
p.42 遠い日の青空 2016.2.25

440ページもある小説論、
小林信彦『小説世界のロビンソン』新潮社 1983.7 新潮文庫 1992.8
https://bookmeter.com/books/28549
http://www.amazon.co.jp/dp/4103318147
https://www.amazon.co.jp/dp/4101158223
の表紙カバーは吉田秋生さんです! 
p.402で吉田秋生『櫻の園』『BANANA FISH』『河よりも長くゆるやかに』『吉祥天女』『カリフォルニア物語』が取り上げられてます。

『櫻の園』や『河よりも長くゆるやかに』が、『BANANA FISH』と対比して、 <純文学的> と評されていました。<純文学的> には、「くらい」とルビがふられています。

「一人の作家が両方[エンタテインメントとしての『BANANA FISH』と <純文学的> な『櫻の園』や『河よりも長くゆるやかに』]を描いてしまうというのが不思議で、しかも、どれもが、<少女まんが> として括られるのはぼくには信じがたい。」
p.403 終章 とりあえずの終り

「『文學界』[2016年]11月号で荒木一郎のインタビューをおこなっている。歌手デビュー五十周年記念で、聞き手は高崎俊夫氏である。
 … 
『まわり舞台の上で 荒木一郎』という560ページあまりの本が贈られてきた。文遊社という出版社から出たもので、荒木一郎のテレビや映画での仕事をまとめたものだ。
 … 
ぼくは見ているが(好きなのだが)、未見の人は『日本春歌考』、『0(ゼロ)課の女 赤い手錠(ワッパ)』、『白い指の戯れ』は見た方がいい。」
p.210 街はハロウィーン前夜 2016.10.27

大島渚『日本春歌考』1967
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=141982
を私は1975年3月3日に池袋の文芸坐地下で観ました。

『0(ゼロ)課の女 赤い手錠(ワッパ)』
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=144721
は1975年2月17日と1976年4月27日に新宿の昭和館地下で観ました

村川透『白い指の戯れ』
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=144004
は1974年9月2日に池袋の文芸坐地下で観ました。

高崎俊夫
ウィキペディア
https://goo.gl/2GeCMM

高崎俊夫の映画アット・ランダム
http://www.seiryupub.co.jp/cinema/

を、ご覧になっていない方はぜひどうぞ。私は全部読んではいませんけど。


「亀和田武さんの『60年代ポップ少年』(小学館[2016.10])に出てくるラジオ番組「昨日のつづき」(ぼくが出ていたこともある)や吉本隆明さん[1924-2012]がなつかしい。

吉本さんと出かけたのは、中島みゆきのコンサートである。厚生年金ホールに現れた吉本さんは細いズボンをはいており、頭を低くさげた。吉本さんとは隅田川をはさんで生きた人間同士という感じだった。

終ると、ヒルトン東京の中華料理「王朝」へ行って食事をした。ぼくの妻もいっしょだった。支払いは中央公論社にいた知人がすませた。ぼくは吉本さんに、ハワイで休むことをすすめた。ただそこにいたカメラマンはフィレンツェのようなところで休むことをすすめた。」
p.229 60年代ポップ少年の嘘 2016.11.17

カメラマンって誰なんだろう? 何年のことなんだろう?

大学生の頃(1973-77)から小林信彦さんの文章を読み続けてきました。

読書メーター 小林信彦の本棚
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091202
の登録冊数は109冊で、刊行年順に並べています。

読書メーターを始める前に読んだものが多いため感想(メモ)を記入していない作品が多いですけど、ご笑覧いただけましたら幸甚と存じます。


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