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2017年06月29日05:37

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散り散らず人もたづねぬふるさとの露けき花に春風ぞふく 前大僧正慈円

散り散らず人もたづねぬふるさとの露けき花に春風ぞふく
 前大僧正慈円
 故郷花といへる心を
 新古今和歌集 巻第一 春歌上 95

散ろうと散るまいと訪う人もない古里の夕露にぬれた花に、春風ばかりが訪れている。」『新日本古典文学大系 11』p.44

建仁元年(1201)十二月、仙洞句題五十首。
本歌「散り散らず聞かまほしきを古里の花見て帰る人も逢はなむ」(伊勢 拾遺 春)。
散り散らず 配列からすれば本歌のように現実の落花が問われているのではなく、八代集抄[北村季吟による江戸前期の注釈書]の「散りても散らでも」の意。
感傷的な歌で「露」には涙も含意されていよう。
「盛花」の歌。

慈円(じえん 1155-1225)平安時代末期から鎌倉時代初期の天台宗の僧。藤原兼実の弟。
千載集初出。新古今入集九十二首(西行に次ぐ第二位)。勅撰入集二百六十九首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では僧正遍昭と番えられている。
小倉百人一首 95 「おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣に墨染の袖」
http://bit.ly/WUEMmA
http://bit.ly/15WrmqA

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