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2017年06月22日05:36

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丸谷才一『横しぐれ(講談社文庫)』 講談社 1978年11月刊

昔読んだ小説。
丸谷才一『横しぐれ(講談社文庫)』カバー装画 奥村土牛「鳴門素描」 解説 杉本秀太郎 年譜 小田切進 講談社 1978年11月刊。

https://bookmeter.com/books/528365
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J8KM0Q

単行本 装幀 原弘 装画 奥村土牛「鳴門」 講談社 1975年3月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/B000J967YK

講談社文芸文庫 1989年12月刊 解説 池内紀
https://www.amazon.co.jp/dp/4061960652

「父と、黒川先生とが、あの日道後の茶店で行き会った、酒飲みの乞食坊主は、山頭火だったのではなかろうか。横しぐれ、たった1つのその言葉に感嘆して、不意に雨中に出て行ったその男を追跡しているうちに、父の、家族の、「わたし」の、思いがけない過去の姿が立ち現れてくる。小説的趣向を存分にこらした名篇「横しぐれ」ほか、丸谷才一独特の世界を展開した短篇3作を収録。」

「中年」『群像』1968年7月号
「初旅」『文學界』1972年6月号
「だらだら坂」『文學界』1973年1月号
「横しぐれ」『群像』1974年7月号 デニス・キーンによる英訳が英国のインディペンデント紙外国小説特別賞受賞。

旅の庵は嵐にたぐふ横しぐれ柴の囲ひにとまらざりけり 源頼政 嘉応二年(1170)十月九日、住吉社歌合。

「「急にお天気が崩れましてね。雨まじりの風と言ふか、横なぐりの時雨と言ふか。その時雨を見てわたしが横しぐれだとつぶやいたら、坊主がえらく感心して…… しきりにうなづいてゐましたよ。まさにその通りですな、とか、それでいいわけですな、とか、何度もくりかえして」

「でもね、案外あれが坊主の手だつたかもしれない。さう言つて感心して、また飲みだした。そしてお礼を言つて、さつさと出て行つたんだよ。こつちは呆気(あっけ)に取られましてね。仕方がないから金を払つた。いや、待てよ、君の親父が払つたんでせうな。つまり、いちばん飲まないのが勘定を持つことになつた」」p.16

読書メーターを見ていると、

村上春樹『若い読者のための短編小説案内』1997.10
https://www.amazon.co.jp/dp/4163533206
https://www.amazon.co.jp/dp/4167502070

の影響なのか、 『樹影譚』1988.8 から丸谷才一を読み始める方が多いような気がしますけど、
長篇『笹まくら』1966 河出文化賞受賞
中篇『横しぐれ』1975
短篇『年の残り』1968 芥川賞受賞
を先に読んだ方が楽しめるのになぁ。

読書メーター 丸谷才一の本棚(刊行年順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091201
の登録冊数は121冊です。

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