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2017年06月21日05:13

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葛城(かづらき)や高間(たかま)の桜咲きにけり立田の奥にかかる白雲 寂蓮法師

葛城(かづらき)や高間(たかま)の桜咲きにけり立田の奥にかかる白雲
 寂蓮法師
 和歌所にて歌つかうまつりしに、春の歌とてよめる
 新古今和歌集 巻第一 春歌上 87

「葛城の高間の山の桜が咲いたな。立田の奥にかかっている花の白雲よ。」『新日本古典文学大系 11』p.42

建仁二年(1202)三月二十二日、三体和歌御会「春夏、此二は太く大(おほ)きによむべし」の内。
本歌(一)「桜花咲きにけらしなあしびきの山のかひより見ゆる白雲」(紀貫之 古今 春上)。
本歌(二)「よそにのみ見てややみなむ葛城の高間の山の峰の白雲」(和漢朗詠集「雲」読人しらず)。
高間 大和国の歌枕。葛城山中の最高峰で金剛山の古名。立田山の南方に当る。
白雲 山桜を白雲に喩える。
「初花」の歌。

寂蓮(じゃくれん 1139?-1202) 平安時代末から鎌倉時代初期にかけての歌人、僧侶。藤原俊成の甥。和歌所寄人。
千載集初出。勅撰入集百十六首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では源重之と番えられている。
小倉百人一首 87 「むらさめの露もまだひぬ真木の葉に霧たちのぼる秋の夕暮」
http://bit.ly/Zyrc6R
http://bit.ly/17ghKYM

「寂蓮は、なほざりならず歌詠みし者なり。あまり案じくだきし程に、たけなどぞいたくは高くはなかりしかども、いざたけある歌詠まむとて、『龍田の奧にかかる白雲』と三躰の歌に詠みたりし、恐ろしかりき」『後鳥羽院御口伝』

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