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2017年06月18日05:10

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ふして思ひおきてながむる春雨に花の下(した)ひもいかにとくらん よみ人しらず

ふして思ひおきてながむる春雨に花の下(した)ひもいかにとくらん
 よみ人しらず
 題しらず
 新古今和歌集 巻第一 春歌上 84

「臥しては思い、起きてはまた物思いしつつ見入っているこの春雨に促されて、花の下紐はどのように解けることであろう。」『新日本古典文学大系 11』p.41

古今六帖一。
春雨 「養得自為花父母[養(やしな)ひ得(え)ては自(おのづか)ら花(はな)の父母(ふぼ)たり]」(和漢朗詠集「雨}紀長谷雄)のように開花を促すものとされるが、ここは春雨を男、花を女に譬える。
下ひも 下裳や下袴の紐。人に恋いられると下紐が解けるという古来の俗信と花のほころびるのを「紐解く」というのとを重ね合わす。
上句は春雨時の物思わしい気分を写す。
参考「起きもせず寝もせで夜を明かしては春の物とてながめ暮らしつ」(在原業平 古今 恋三)。
「初花」の歌。

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