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2017年06月15日05:55

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丸谷才一・湯川豊『文学のレッスン(新潮選書)』新潮社 2017年4月刊

昨日拾い読みした本。
丸谷才一・湯川豊『文学のレッスン(新潮選書)』新潮社 2017年4月刊。

https://bookmeter.com/books/11672094
https://www.amazon.co.jp/dp/4106038013

「小説から詩、エッセイ、伝記、歴史、批評、戯曲まで――稀代の文学者が全ジャンルを語りつくす決定版文学講義! 選書版で登場! 古今東西の作品を次々に繰り出しながら、文学の大山脈を奔放自在に探索し、その真髄に迫る。聞き手の湯川豊による「最晩年の十年」を加えて選書化。」

単行本 新潮社 2010年5月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/410320608X

「長篇小説はなぜイギリスで、短篇小説はなぜアメリカで発展したのか?――小説からエッセイ、詩、批評、伝記、歴史、戯曲まで、目からウロコの話が満載。決定版文学講義。「丸谷さんは、古代から現代にいたるまでの文学の姿をたんに手際よく整理してみせたのではない。ここで展開された論議は、つねに現代文学の先端的位置からなされているのである」(湯川豊「あとがき」より)」
「面白くて、ちょっと不穏な丸谷才一「決定版文学講義」!」

新潮文庫 2013年9月刊
https://www.amazon.co.jp/dp/4101169128

「1.短編小説 もしも雑誌がなかったら
2.長編小説 どこからきてどこへゆくのか
3.伝記・自伝 伝記はなぜイギリスで繁栄したか
4.歴史 物語を読むように歴史を読む
5.批評 学問とエッセイの重なるところ
6.エッセイ 定義に挑戦するもの
7.戯曲 芝居には色気が大事だ
8.詩 詩は酒の肴になる」


湯川豊による新潮文庫版 2013.9 への「もうひとつの少し長いあとがき」p.270-278 と
新潮選書版への新稿「最晩年の十年」p.280-291 だけ読みました。


「このインタヴューがどんなふうに行われたのか、そのようすを具体的なエピソードによって紹介しておきたい。丸谷才一さんがいなくなってみると(2012年10月逝去)、最晩年にお話をうかがった一刻一刻が、きわめて貴重な体験だったと思われてならない。個人的に懐かしんでいるだけではなく、報告し、記録しておきたい。」p.270

「長いインタヴューでは(場合によっては対談などでも)、丸谷さんはいつもしっかりしたコンテ(構成案)をつくった。丸谷さんは座談の名手といわれ、たしかんそうには違いなかったが、生来のしゃべり上手ではけっしてなかった。話す前に、自分が納得できるコンテを立てることが習慣になるほど、必要だった。十分な準備をすること、そろえが丸谷さんのインタヴューの特徴だったといってよい。」p.271

「「詩」の章で大事なことを聞きもらしてしまったという悔いがある。「詩には、レトリックつまりいいまわしの面白さと、韻律つまり音楽的な楽しさ」と二つがある。「この両者を同時に味わわせる快楽」が詩である。それは詩論として十分納得できる。

丸谷さんは、新古今集にも、この二つがみごとに同居している、と覚え書に書いていた。話の流れに心地よく流されているうちに、新古今の歌の実際についてこれを例示していただくのを忘れてしまった。『新々百人一首』や『後鳥羽院 第二版』を読めばそのような歌に出会えるとしても、インタヴュアーとしては失敗である。」p.277

「老年に至るまで病気らしい病気をしたことがなかった丸谷さんが、初めて入院したのは1997年{1925年生まれなので72歳]、脊柱管狭窄症である。歩くのに体が大きく左に曲がり、しまいには脚が棒のようになって歩けなくなった」p.281

2004年の食道がん、
2006年に二度目の食道がん、
2010年初頭に胆管がん、
2012年1月に心臓ステント挿入、
4月に心臓再手術、
手術前後の精密検査で腎盂がんが発見されたが手術はもう無理と判断。

自宅に戻り、短篇(90枚ほど)を書いたが破棄。10月7日に自宅で倒れ救急車で病院へ、10月13日逝去。

遺作短篇「茶色い戦争ありました」『文藝春秋』2012年12月号 『丸谷才一全集 第六巻 「輝く日の宮」ほか』文藝春秋 2014.8 収録。

丸谷才一 第59回芥川賞受賞会見(東京都港区の第一ホテル)1968年7月22日
時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/d4?p=tit105-jlp01425491&d=d4_psn

読書メーター 丸谷才一の本棚(刊行年順)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091201
の登録冊数は121冊です。

2009年9月から読書メーターに書き込んできた拙い感想(メモ)にいただいたナイスが 58000 になりました。

読んだ本の登録冊数は2537冊。感想の記入は2098件(投稿率82.7%)。
以下のような駄文
https://bookmeter.com/users/32140/reviews
を書き続けています。ご笑覧いただけましたら幸甚と存じます。


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