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2017年06月09日23:56

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ヒーロー作品の父と子の関係を描く単純明快さとベタのつるべうち 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

前作にて描いたクイル(スター・ロード)とヨンドウの父と子の関係。
今作はそこへ本当の父親――エゴが介入してくる。

銀河の守護を名乗り人々を危機から救った5人だが、凸凹の状態はあいかわらず。
ロケットが高慢な種族ソヴリンから貴重な品物を盗み出し、
惑星の女王アイーシャの怒りを買う。*1
ソヴリンの追手から逃げ回る5人。救いの手を差し伸べたエゴは、
自身がクイルの父親と名乗る。物語はやがて父と子の関係をめぐる、
銀河全体の危機を招く。*2

イデオロギーの対立で、どうにも辛気臭い最近のマーベル作品。*3
その気配は本作にはない。

前作同様、コメディとシンプルを前面に押し出す“ハレ”の展開だ。
主義や哲学ではなく、父と子の関係も身近だ。
生みの親か? 育ての親か?
この「物語の雛型」で生みの親に共感する作品は少数だ。
本作でも我々が共感するのは育ての親のヨンドウ。
エゴは名前のとおり“エゴ”をむきだしにする。

その意味では物語は定石どおりに進行する。ベタベタだ。
ただ、本作の秀逸さは、人々が強く望むベタをカロリー充分に用意しきるところ。
仲違いからの仲直り。腐され縁と憎まれ口。ライバルが味方に。
5人の見せ場とキメ。そうして父と子は――。

今回クイルはスター・ロード(セレスティアルズ) *4 の能力へと目覚める。
その場面は少年漫画の主人公がピンチから立ち上がる様子そのまま。
熱くて燃える展開だ。
マーベル作品はヒーロー作品。ならこれでいい。


※1 本作で失敗し、女王の立場に危機を感覚したアイーシャはマーベル作品好例、エンドロールでアダム・ウォーロックを作り出す。このアダム・ウォーロックはマーベルにおける、ほぼ最強キャラクターだが、この展開だと18年の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では最初(?)ヴィランの状態なのかも。

※2 もちろんも地球も例外ではない。

※3 まあ、ヒーローが南北に分れ対立するのは原作どおりですし、映画のマーベル・シネマティック・ユニバースが、原作(アメコミ)より現実の反映に色濃く影響されているのでしかたがないのかもしれないが。

※4 マーベル世界のもとのもと。あらゆる世界の造物主で創造主。映画のセレスティアルズにどれだけの能力が設定されているかわからないが、基本、デウス・エクス・マキナ(絶対能力を持つ存在が無理矢理オチをつける)に近い。
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