あさ霞ふかく見ゆるやけぶりたつ室(むろ)の八島(やしま)のわたりなるらん
藤原清輔朝臣
崇徳院に百首歌たてまつりける時
新古今和歌集 巻第一 春歌上 34
「朝霞の色濃く見えるところが、いつも煙の立っている室の八島のあたりであろうか。」『新日本古典文学大系 11』p.28
久安六年(1150)、久安百首。
崇徳院(すとくのいん 1119-1164)第75代天皇(在位 1123-1142)。
室の八島 下野国(栃木県)の歌枕。「煙」は野中の清水から立昇る蒸気というのが通説(八雲御抄五[やくもみしょう 順徳天皇 1197-1242 による歌論書]など)。
参考「煙かと室の八島を見しほどにやがても空の霞みぬるかな」(源俊頼 千載 春上)。
「霞」の歌。
藤原清輔(ふじわらのきよすけ 1104-1177)平安時代末期の公家・歌人。藤原顕輔(詞花集撰者)次男。九条兼実の和歌師範。
千載集初出。勅撰入集九十六首。
隠岐での後鳥羽院による『時代不同歌合』では大伴家持と番えられている。
小倉百人一首 84 「ながらへば又このごろやしのばれん憂しと見し世ぞ今は恋しき」
http://bit.ly/162rTZt
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