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2017年04月25日05:20

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村上春樹『村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事』中央公論新社 2017年3月刊。

昨日読んだ本。
村上春樹『村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事』中央公論新社 2017年3月刊。

https://bookmeter.com/books/11554253
https://www.amazon.co.jp/dp/4120049671

「その原動力はどこからくるのか ―― 翻訳者・村上春樹が、 70余点の訳書と、36年にわたる道程を振り返る。 訳書、原書の写真多数。 柴田元幸氏との対談もたっぷり収録。」

「同時代作家を日本に紹介し、古典を訳し直す。音楽にまつわる文章を翻訳し、アンソロジーを編む。フィッツジェラルド、カーヴァー、カポーティ、サリンジャー、チャンドラー。小説、詩、ノンフィクション、絵本、訳詞集…。1981年刊行の『マイ・ロスト・シティー』を皮切りに、訳書の総数七十余点。小説執筆のかたわら、多大な時間を割いてきた訳業の全貌を明らかにする。」

村上春樹翻訳作品を、レイモンド・チャンドラー六冊以外は、ほとんど読んでいないので、チャンドラーの箇所だけ拾い読みしようと手にしたのだけれど、200ページ弱を一気に通読してしまいました。

柴田元幸さん(1954年生まれ)がチャンドラー以外の訳稿チェックを担当してきたことを知らなかったので、驚き、感心しました。

表紙と裏表紙の本棚の写真が同じなのが残念だなぁ、と無い物ねだり…。

明治大学文学部を卒業して聖心女子大学図書館に就職して二年目の1979年、第22回群像新人文学賞受賞作を掲載している『群像』1979年6月号で『風の歌を聴け』を読んで、選評で丸谷才一さんが誉めていたことを思い出したりしながら読了。

BGM: The Beach Boys Pet Sounds (1966)
https://www.youtube.com/watch?v=9QwS9lInUA4

ウィキペディア
https://goo.gl/01q5bQ
「『風の歌を聴け』第22回群像新人文学賞(1979年4月発表)選評 丸谷才一はアメリカ文学からの影響を指摘しながらもその才能を激賞し、「この新人の登場は一つの事件」であるとした。(丸谷才一「『風の歌を聴け』評」『群像日本の作家26 村上春樹』所収、小学館、1996年。)

第81回芥川賞(1979年7月発表)丸谷才一の選評。「もしもこれが単なる模倣なら、文章の流れ方がこんなふうに淀みのない調子ではゆかないでせう。それに、作品の柄がわりあい大きいやうに思ふ」

「村上 チャンドラーからはかなりの影響を受けていると思います。小説の文体に関していえば、それは確かです。チャンドラーの作品はとても好きで、昔から何度も繰り返し読んでいますが、ミステリーを書くことにはまったく興味はないんです。

チャンドラーのあの独特の語法を、あるいは小説技法を、いわゆる純文学の世界に持ち込むという作業が、個人的にすごく好きだった。

僕が小説を書こうとしたとき、モデルとするべき作家がぜんぜんいなかったんですが、チャンドラー、それからヴォネガット、ブローティガンみたいな人たちは、とりあえずの指標になりました。とくに『羊をめぐる冒険』のあたりからは、チャンドラーの影が濃くなってきたんじゃないかな。
 … 
『ロング・グッドバイ』に関しては、僕にとってとても大事な本ですから、やはり気合を入れて、訳しました。これは柴田さんのチェックは受けていませんよね。

柴田 早川書房から出ている村上さんの訳書にはかかわっていないです。

村上 早川書房は翻訳慣れしているから、編集部内でいちおうチェックしてくれます。
チャンドラーは、長篇はぜんぶで七冊残しているんですが、清水俊二さんは六冊しかやっていません。というのは、『大いなる眠り』は東京創元社で双葉十三郎さんが訳してしまっていたから。

ぼくはその七冊をぜんぶやろうと思っています。そうすると日本で初めて、チャンドラーの長篇作品を全て訳した人になります。これまで六冊まで訳して、残るはあと一冊、The Lady in the Lake が残っているだけなので、これはなんとか完成できそうです。」
p.124 対談 村上春樹×柴田元幸 翻訳について語るときに僕たちの語ること

読書メーター 村上春樹の本棚 (登録冊数17冊)
https://bookmeter.com/users/32140/bookcases/11091263

『国境の南、太陽の西』1992 までの長篇はほとんど読んでましたが、それ以降は熱心な読者ではなくて、村上春樹さんは、今の私にとっては、小説家というよりもレイモンド・チャンドラーの翻訳者です。

講談社BOOK倶楽部 2017.3.25
講談社社員 人生の1冊【1】『風の歌を聴け』
http://news.kodansha.co.jp/20170325_b02

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